とりあえず、歩くか。晴れた日は星空の下で寝るのもいい。

週末の九州自然歩道のトレッキングや日常の雑感です。英語版のトレッキングログもこちら https://nayutakun.hatenadiary.com/  で公開しています。

2021年1月11日 九州自然歩道 74日目 鹿児島県肝属郡南大隅町島泊~南大隅町佐多岬~南大隅町大泊 夜明け前の佐多岬をひた走る

 テントの中で目が覚めたのが3:30。3連休の初日は悪天候のため錦江湾を横断するフェリーが運航されず、山川で1日足止めされた。連休2日目の昨日はリカバーしようと30km近く歩いたが、残りの休みは本日1日のみ。さて、今日はどうしようか。考えてみた。選択肢は3つある。

  1. このままがむしゃらに前に進む。野営地から佐多岬まで12km+佐多岬からコースを30km北上+コースを離脱して根占港まで8km=50km。根占港の最終フェリーは16:30。
  2. 前に進むのを諦めて帰る。野営地から根占港までショートカット=25km。ゆっくりスタートしても根占港の最終フェリーには十分に間に合う。
  3. 途中までコースを進みバスで帰る。野営地からバス停のある大泊4km+佐多岬往復12km=16km。大泊からの最終バスは8:00!

 1.の選択肢は超人コース。15kg近くの荷重で50km歩ける気がしない。

 2.は妥当な選択肢だが、消極的。

 3.の選択肢が良さそうだが、大泊からの最終バス、というか1日1本しかないバスが8:00発というのが難点。

 寝ぼけた頭で考えた。野営地から大泊まで4km歩いて1時間。大泊から佐多岬往復は12kmで3時間。ということは4:00に行動を開始したら、計算上は8:00のバスに間に合う。やってみようではないか。ということで、ヘッドライトをつけて撤収をはじめ、4:10に行動を開始した。

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暗闇の中で撤収完了

 真っ暗な中を県道68号線のセンターラインを頼りに佐多岬に向かって進んだ。完璧な漆黒の野営地では、夜半はオリオン座の四角の中に30個ぐらい星が見えるほど晴れていたが、現在は曇っているようで、星は見えない。霧がうっすらと漂っている。ヘッドライトで標識が映し出される。佐多岬まで12kmだ。近い。

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ヘッドライトを頼りに進む

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佐多岬まで12kmの標識があらわれた

 島泊集落の入口を通過し、尾波瀬集落と思われる街路灯が道路の下に見えてきた。4:50に尾波瀬トンネルを通過した。そのまま休憩なしで歩き、5:20に大泊の集落に到着した。佐多岬8kmの表示がある。地図では九州自然歩道はショートカットコースをとるので1kmほど短く見える。

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尾波瀬トンネルを通過

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大泊には佐多岬8kmのゲートがあった

 大泊集落から10分ほど歩き、バスの始発点であるホテル佐多岬に5:40に到着した。バス停の位置を確認し、時刻表の確認を行った。1日1本だけのバスは、平日、土日祝日も運行していることを確認。これで第一関門突破。

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バス停を確認

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バスの時刻を確認。土日祝運休という場合も頻繁にあるので油断できない。

 のんびりしていたら6:00に近くなってきた。ホテルから佐多岬まではおよそ7km。歩いたら往復2時間以上かかり、バスには間に合わない。そこで、荷物を置いて、佐多岬まで走ることにした。ホテルから100mほど先に大泊キャンプ場がある。このキャンプ場に荷物を置いて、空荷で走れば余裕で間に合うはずだ。ザックからミカンを2つポケットに入れ、木製テーブルの下にザックをデポジットして6:00に佐多岬に向かって走り始めた。まだ真っ暗で、ヘッドライトの光を頼りにひた走る。大泊港の上には月が光っている。

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大泊キャンプ場から港を眺める

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キャンプ場のテーブルの下にザックをデポジット

 県道68号線の旧道を走り、大泊から田尻集落への峠を越える。標高差100mもないほどだが汗が出てきた。自動車はほとんど通らず、心地よく走ることができる。6:15には県道68号線の新しいトンネルとの合流点に出た。さらに10分ほど走り田尻集落の海岸線を通過した。水平線が少し赤みを帯びてきた。

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佐多岬までの最後の田尻集落を抜けるころに空が明るくなってきた

 6:50ごろには、佐多岬にほど近い北緯31度線のモニュメントを通過し、佐多岬灯台にアプローチするトンネルに到着した。

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北緯31度線モニュメントを通過

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最後に人道トンネルがある

 トンネルを抜けると500mほど先の小高い山の上に展望台が見える。よく整備されたアプローチ路を走り、7:00ちょうどに佐多岬展望台に到着した。

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トンネルの先には展望台が見えてきた

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佐多岬展望台に到着

 連休の最終日には、本土最南端で日の出を見るぞと集まる人が30人ぐらいいると予想していたのだが、展望台には誰一人おらず拍子抜けした。でも、本土最南端の地点まで自分の足で歩いたと思うと感慨が深い。南の佐多岬灯台、東の種子島方面、西の開聞岳方面の写真を撮ってから、この地の空気を身体中に詰め込んで帰ろうと、大きく1回深呼吸した。

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南には佐多岬灯台

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東には目をこらせば種子島の町の灯が見える

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西には開聞岳

 日の出時刻は7:17で、佐多岬で日の出を見てみたいと一瞬頭をよぎったが、もし日の出を見てから走り出したならば、向こう3日間ぐらいぐったりするほど力いっぱい走らないと間に合わない。0.3秒考えてあきらめた。バスは1日1本だ。長居すると墓穴を掘る。ここは本土最南端の地だ。7:03には大泊に向かって走り出した。

 佐多岬からはほどほどのスピードで休まずに走り続けた。すでに周囲は明るく、ヘッドライトはポケットに片づけた。田尻集落が眼下に見え始めたときに水平線から太陽が昇りはじめた。足を止めて写真を撮ったが、水平線には雲がかかっていたので、それほど悔しくはなかった。

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帰り道は明るくなってきた

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田尻集落付近で日の出の時刻を迎えた

 その後も明るくなった道をひたすら走った。景色は良い。自動車もほとんどいないので、このコースは走るのにおすすめのコース。予定どおり7:50には大泊キャンプ場に戻ることができ、デポジットした荷物を回収して、ホテル佐多岬に向かった。

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キャンプ場に無事到着

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すぐ先のホテル佐多岬にゆっくりと向かう

 7:58にバス停に到着し、ホテル玄関横の自動販売機で冷えたコカコーラを購入した。気温は6℃。寒くない。ゴキュゴキュッとのどを鳴らして飲んでいたら、バスがゆっくりと坂を登ってきた。

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 2021年1月11日 九州自然歩道 74日目 鹿児島県肝属郡南大隅町島泊~肝属郡南大隅町佐多岬肝属郡南大隅町大泊 曇り時々晴れ 気温10/6℃ 行動時間3:49 距離17.9km 19708歩

 復路交通:ホテル佐多岬8:00-垂水港10:04/13:00-鴨池港13:50/14:05-鹿児島中央14:37/15:51-博多17:08

2021年1月10日 九州自然歩道 73日目 鹿児島県指宿市山川~肝属郡南大隅町根占港~肝属郡南大隅町島泊 南大隅町の小学生の習字でほっこり

 2021年最初の九州自然歩道トレッキングは鹿児島県の薩摩半島の山川からフェリーで大隅半島に渡るところから始まる。福岡から山川までの公共交通機関による移動はなかなかの難所となるので、山川に前泊してからのスタートとなった。1月9日にスタートする予定だったが、1月10日のスタートとなってしまった顛末は、前回の九州自然歩道73日目番外編をご覧頂きたい。

 山川の宿で5:00に起床した。この宿はエアコンの稼働2時間ごとに100円玉を投入するシステムのため、明け方はテントよりも寒くて目が覚めた。これは苦情ではない。きっぱりとリーズナブルなシステムなのだ。100円玉を投入してしばらくするとエアコンの送風口から暖気が流れてくる。部屋が暖まったのを確認してから布団を抜け出す。準備を整えて、電気ポットで沸かしたお湯をサーモスに詰めて7:00に宿を出た。

 今日は東の空が明るく、暖かい。現在の外気温は2℃。国道269号線の覆道を通り、山川港までの2kmの道のりをゆっくりと進む。山川港には根占行きのフェリーが係留されているのが見える。

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東の空が明るくなってきた

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国道269号線の覆道を進む

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山川港に係留されたフェリーが見えてきた

 7:20に山川港に到着した。フェリーの煙突から煙が出ていて、まずはホッとする。乗船券発売所に行ってみると、本日は運行中の看板が出ていた。よかった。片道500円の乗船券を購入して、7:35に搭乗した。

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フェリーの煙突から煙が出ているのを見てホッとした

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本日は無事に運航中

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フェリーに乗船

 自動車以外の乗船は自分だけのよう。私が乗り込むと、続いて車が数台フェリーの中に進んできた。2階の船室に入ったが、先客は誰もいなかった。

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船室には自分だけ

 8:00をわずかに過ぎて、フェリーは汽笛を鳴らして動き始めた。船室を出ると山川港の灯台が見える。開聞岳もしだいに遠ざかってきた。山川港から対岸の根占港までは直線距離で12kmほど。中間地点あたりでは噴煙を上げる桜島が見えてきた。そして、正面には佐多岬から折り返して登る予定の辻岳と野首嶽が見えてきた。標高900mにも満たないような山なのだが、海からそのまま立ち上がっていることから、急峻で手強そうに見える。頂上近くには雪があるのか、うっすらと白く見える。

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山川港を離れる

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開聞岳が離れていく

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錦江湾の中央部分を通過中には桜島の噴煙がくっきりと見えた

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大隅側の野首嶽、辻岳が迫ってくる

 フェリーは8:50に根占港に到着した。また、最初にフェリーから降ろしてもらい、続いて車がその横を通り過ぎる。正面には佐多岬まで40kmの看板が見えた。この時間から日没までに40km歩くのはきついなと思いながら行動を開始した。

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根占港に到着

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佐多岬まで40km、か

 港から、雄川にかかる根占橋を渡り、まずはそこにあったローソンでコーヒーとパンの朝食を摂った。そこからは雄川に沿って国道269号線を進んで根占の市街地を抜け、根占川南の交差点を国道269号線の標示に従って右折する。正面には辻岳が見えてきた。

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まずは雄川を渡る

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根占の中心街を通過

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国道269号線に沿って右折すると辻岳が正面に

 10:00頃には辻岳への登山口を通過し、根占中学校の横を通り過ぎて、大内山峠を越えた。辻岳の前峰に設置された西原パラグライダーテイクオフグラウンドはここから左折との標示がある。

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大内山峠を越える

 正面には海が見えてきた。大浜海水浴場と表示がある。対岸には開聞岳が見える。ここからは海岸線に沿って進む。波は思ったよりも荒い。10:40には道の駅を通過した。道路横のビーチは美しい。夏には多くの人を集めそうだ。

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大浜海水浴場を通過

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砂浜の向こうには開聞岳

 道の駅の先には覆道が現れ、ここから先は砂浜はなくなる。海岸線には大きな岩が転がり、白い波が打ち寄せている。波の音を聞きながら国道269号線を先に進む。道路脇に茶褐色の大きな花がぶら下がっている。そのうえを眺めるとバナナが実っている。これは食用だろうか?

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道の駅から先は岩の海岸

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道端に茶褐色の大きな花がぶら下がる

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バナナだった

 11:00頃に道路脇に芝生の広場が現れた。台場公園との看板が出ている。幕末の薩英戦争の頃に築かれた砲台の跡との解説がある。ここは芝生のグラウンドとトイレ、自販機もありキャンプの適地。近くには食堂もあり、理想的。ここで、サーモスのお湯でコーヒーを淹れて小休止した。

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台場公園

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 さらに20分ほど進むと立神集落に到着。ここにも居心地のよさそうな立神公園がある。バーベキュー用の施設などもあるが、テント設置不可と明示してある。残念。この公園の近くにも食堂があり、野営にはもってこいの場所なのだが。

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立神公園

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背後には御嶽

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近くには食堂もある

 次いで、11:53に笠集落、12:24に下園集落を通過。根占から269号線を南下する道中には、だいたい2~3kmごとに集落があるが、いずれの集落にもたいてい自販機があるので、水分補給には事欠かない。また、立神から南の集落の背後には野首嶽が聳えていて、とても美しい。12:50に通過した大川集落から先は、山上に風車が見え隠れする。

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気持ちよく歩くことができる国道

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背後の野首嶽

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こんなところにトレーラーハウスを設置したら天国

 下園集落から先は道路と海の距離が近くなる。山がすぐに海に落ち込んだような地形になり、そんなところでは覆道が現れる。覆道には歩道はないので、ときどき通過する自動車はたいてい大きく避けてくれる。

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下園から先は断崖が迫る

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覆道は歩くのに気持ちが良い

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耳を澄ませば風車の回る音が聞こえる

 そんな覆道と覆道の間の集落の片之坂の集落で素晴らしいものを見つけた。この集落の外れには出口川という小さな川が流れており、出口橋という小さな橋が架かっているのだが、何の気なしに橋名板(きょうめいばん)を見てうれしくなった。写真を見て頂きたい。昨今は個人情報のことが厳しく問われる可能性があるので名前の部分にはモザイクをかけさせてもらうが、出口橋の橋名板の銘には近隣の小学生の習字が使われているのだ。

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出口橋の橋名板には小学生の作品が使用されている

 出口橋が完成したのは平成12年11月。このとき小学校6年生だったM君とH君は2021年の現在は33歳ぐらいになっているだろう。残念ながら、この地区の衰退を見ると、橋名板を書いた小学生は故郷の外に出て行ってしまったかもしれない。でもきっと、年に1回ぐらいは故郷に帰ってくるだろう。先生と一緒に何度も習字をして完成させた橋名板の残るこの橋があるかぎりは。そして、いつか故郷のために何かをしようと思い続けるのではないか。

 これまでこういった銘板には、地方の首長の名や、その他の、スコップを握ったこともないような名士の名が刻まれたものばかり見て辟易してきた。でも、小学生の名前が刻まれているのを見たときには、南大隅町もなかなかやるもんだと応援したくなった。

 ここから先も覆道とその間から見える白波の立つ海岸が続く。海の見える道端にストレリチア(極楽鳥花)が咲いていた。活け花ではときどき花材として使うが、けっこう高価である。自生していたのだったらすごいなと思いながら通り過ぎる。

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海は、きれいだ

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ストレリチアが咲いていて不思議のないところが日本にあるとは

 13:27に佐多町の中心地の伊座敷に到る全長2kmを越える伊座敷トンネルの入口に到着した。九州自然歩道はこのトンネルは通過せずに、旧道の方を進む。旧道も2km以上続く覆道。歩くにはトンネルよりもこちらの方が断然楽しい。

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伊座敷トンネルの入口を通過

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徒歩は断然旧道の覆道が楽しい

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ずーっと覆道が続く

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覆道のコンクリートの柱の間の眺望が素晴らしい

 30分ほど覆道の連続する区間を歩いて伊座敷の港が眼下に見えてきた。ここには海鮮丼で有名な店があり、14:30の閉店時間に間に合うように最後は少し走って伊座敷の町に到着した。しかししかし、目指す店について玄関を見ると、本日定休日の札がぶら下がっている。残念。やむなく本土最南端のAコープでお弁当を購入して昼食とした。

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伊座敷港が見えてきた

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やむなく本土最南端のAコープで買い物

 昼食を終えて、14:50に行動を再開した。九州自然歩道のルートに従って、伊座敷港の外れから岬の先端の小山に登り、しばらく未舗装の山道を歩いた。着いた先は佐多旧薬園。島津藩の設置した薬園とのことで、いまでも龍眼(りゅうがん)、レイシ(ライチ)などが植えられている。

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港の先の小山に進む

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着いた先は佐多旧薬園

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レイシの木

 ここからは国道を外れ、海沿いの寂しい山道に入る。すぐに人家は途絶え、動物の鳴き声しか聞こえない。山が深くなり、だんだん勾配がきつくなる。小高い山の頂上に着いたその時、目の前に巨大な門が現れた。涅槃門と書いてある。何の前触れもなく突然現れた異形の門には驚いた。奥の方まで行けば、なにやら宗教関連の施設があるようで興味津々だったが、すでに16:30をまわっているので先を急ぐ。今日は15kg近い荷物を担いで25km近く歩いている。17:17の日没までには野営場所を見つけたい。

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国道を離れて山に向かう

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頂上が近づいてきた

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いきなりドーンと涅槃門

 涅槃門から4kmほど歩いて、17:30に再び国道269号線に復帰した。道路脇は南大隅町役場の方々の手になる花壇で彩られている。辺りがずいぶん暗くなった17:47に島泊集落への分岐に到り、道路脇に平坦地を見つけた。道路から近く、自動車の音やライトが気になりそうだが、人気のまったくないところはまさに動物天国。道路から遠く離れてテントを張るのは少し心配なほど。今日もイノシシが出没している。周囲からは正体不明の動物の鳴き声が盛んに聞こえる。足もパンパンになったので、ここらあたりでザックを下ろすことにした。

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ふたたび国道に合流

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総務課花壇

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介護福祉課花壇

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 2021年1月10日 九州自然歩道 73日目 鹿児島県指宿市山川~肝属郡南大隅町根占港~南大隅町島泊 晴れ 気温7/2℃ 行動時間8:55 距離29.8km 49728歩

 往路交通:西新14:58福岡市営地下鉄-博多15:12/15:24九州新幹線鹿児島中央17:00/17:12指宿枕崎線-指宿18:23/18:35-山川18:41 山川前前泊・前泊 山川港8:00-根占港8:50

2021年1月9日 九州自然歩道 73日目番外編 薩摩半島南端珍味四品盛合

 今回の九州自然歩道トレッキングは、鹿児島県の薩摩半島から大隅半島にフェリーで渡り、九州最南端の佐多岬まで進む予定。南薩摩および南大隅エリアは、現地までの公共交通機関を利用したアクセスの難易度が高いため、今回も金曜夜から現地近くの宿に前泊とした。

 土曜、日曜、月曜と3連休のため、2泊3日のテント泊の機材と行程の食料を積み込み、今回の荷重は水を入れずに12.2kg。ここ数年で一番の寒波が到来しているので、シュラフカバーと断熱シート、それからアイゼン(チェーンスパイク)も積み込んだ。本日金曜は福岡でも積雪があり、どうやら目的地の鹿児島でも積雪を観測しているよう。厳しい条件となりそうだが、鹿児島で積雪を体験できるなんて、めったに経験することのできない素敵なことではないか。

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2021年1月8日朝の福岡

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今回は初めてアイゼン(チェーンスパイク)を携行

 いつものように博多から新幹線に乗車し、鹿児島中央駅に到着した。乗り継ぎに時間があったため、駅の外に出たところ、桜島に冠雪が見られた。風は刺すように冷たい。鹿児島にも例外なく寒波がやってきたのが実感された。

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新幹線で鹿児島中央駅に到着

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桜島の頂に雪が見える

 鹿児島中央駅からは指宿枕崎線に乗り、指宿で枕崎行きに乗り換え、山川に到着した。明日は山川港を8:00に出航するフェリーで、対岸の大隅半島の根占港まで行く予定。

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鹿児島中央駅からは指宿枕崎線

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指宿で乗り換えて山川に到着

 宿での夕食にはカンパチマグロ丼と鰹のタタキ、それから以前から食べてみたかったタカエビをいただいて早めに就寝した。

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カンパチマグロ丼 美味

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三杯酢で食べる鰹のタタキ 美味美味

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今が旬のタカエビ 初めて食べたけど美味美味美味

 今朝は5:00に起床し、準備を整えて6:50に出発した。宿から山川港まで2.2km。ゆっくり歩いてもフェリーの出航時間の30分以上前には着くはずだ。日の出は7:17でまだ暗い。雪がちらつく国道269号線を進み、7:20に山川港に到着した。

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山川港まで2kmを歩く 雪がちらつく

 山川港ではなぜかフェリーの係員の方が待合室の外でお出迎え。なんと悪天候のため一昨日から欠航中だという。鹿児島湾を渡るフェリーであるが、沖合は3~4mの波が立っており、本日はすでに全便の欠航を決定したとのこと。担いでいる荷物を見て、すまなさそうな顔をするが、いかんともしがたい。

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山川港に到着

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なんと本日全便欠航だと

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こんなに晴れてきたのに

 鹿児島市の鴨池港から垂水港までのフェリーは運航しているようだが、山川→鹿児島→鴨池港→垂水港→根占の最速ルートで翌朝11:00着である。しかも、このコースでは九州自然歩道正規ルートである山川-根占をつなぐ国道269号線フェリーに乗船しないことになるので、九州自然歩道のトレース条件も満たさない。一瞬、福岡に帰ろうかとの考えが頭をよぎったが、せっかくここまで来たのでなんとか楽しい3連休にしたい。

 頭に浮かんだのが、前回、横を通りながら登ることができなかった奇岩の竹山に登ること。山川港からのバスの時間を見ると、8:27に竹山口行きのバスがある。これに決めた。

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山川港からバスに乗る

 バスは10分ほどで竹山口に到着した。何度見てもそそられる奇岩だ。バス停から20分ほど歩き、9:00には竹山の2つのピークの間にある武山神社に到着した。手水が凍っている。尖った岩の竹山は目の前だ。

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竹山口に到着

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バス停からあの奇岩が目に入る

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山麓の武山神社

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手水が凍っていた

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見上げると山が迫ってくる

 以前、目にした竹山登山記録では、登り口が見つからず登頂に至らなかったとの記載があった。なんとか歩いた後はないかと神社の周りを探すと、武山神社の脇に踏み跡が見えた。途中からは最近、ササを刈った後も残っている。5分ほども登ったところの中腹に武山奥社があった。大隅半島がもう一つのピークの向こうに見えてきた。

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神社脇に踏み跡発見

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武山奥社まで続いていた

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振り返ると大隅半島が見える

 奥社の位置は主峰の5合目ほど。ここから先は道はついていない。荷物を置いて身軽になり、かすかな踏み跡を見つけ、岩にとりついて上り始めた。慎重に取り掛かりを探しながら高度を上げる。頂上までもう少しのところまで到達できたのだが、頂上近くににオーバーハングがあったため登頂断念。残念だが、ソロでは危険すぎる。

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奥社から上には道はない

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岩にとりついて登ったが

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頂上直下のオーバーハングは一人では危険と判断して撤退

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荘厳さを感じる山だった

 次に訪れたのは、竹山の麓にあるヘルシーランド。ここでは砂蒸し温泉を楽しむつもり。まずは地熱を利用した塩田跡を見学。迫力のある湯煙が立ち上っている。

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ヘルシーランド入口のシンボルツリー アコウかな?

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地熱を利用した塩田の跡

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幻想的

 塩田からすぐ下の海岸が山川砂蒸し温泉なのだが、コンクリートの階段が大雨の被害で崩落している。やむなく2kmほど迂回して、10:50に砂蒸し温泉に到着。

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塩田のすぐ下が砂蒸し温泉なのだが階段が崩落しているため2km迂回

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なんとものどかな湯治場の風情

 浴衣に着替えて湯気の立ち上る海岸に向かう。先客はすぐに上がり、客は自分一人。砂の上に横になり、両手を体につけると、3人がかりであっという間に砂をかけてくれた。背中が熱い。「10分から15分ぐらいが適当ですから」といわれたので20分我慢した。子供の頃からこんな性格のままだ。

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湯治客は自分一人

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この100℃の源泉が砂蒸しに使われている

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砂蒸し温泉では石鹸・シャンプーは使用禁止

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地熱で蒸した卵とサツマイモ

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両方とも美味しかった

 砂を落としてザッとお湯に浸かった後、今度は露天風呂たまて箱の湯に移動して、南シナ海が一望できるスケールの大きな眺望の露天風呂を堪能した。ここは写真撮影禁止で、お見せできないのが残念。

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この先に海に面した露天風呂

 露天風呂を楽しんだ後は、ヘルシーランドの食堂で昼食とした。鰹のタタキ定食で、ここも三杯酢で食べさせるタイプ。美味しい。とくにお米が美味しかったので、厨房に尋ねてみたら、大分産のひのひかりとのこと。炊き方も非常に良かった。

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鰹のタタキが美味い

 昼食の後は13:15に行動を再開し、13:38に山川発電所に到着。ここは日本に38カ所ある地熱発電所の一つで見学施設がある。残念ながら、コロナの影響で見学施設は臨時休館中。やむなく発電所の外から湯煙を眺める。これはゼロエミッションだなと納得。

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開聞岳を眺めながらレタス畑の中を山川発電所に向かう

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残念ながら発電所内の見学は中止

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 山川発電所からは、西に向かって畑の中を縫うように進み、14:21に指宿枕崎線大山駅を通過し、15:00に西大山駅に到着した。ここは言わずと知れたJR最南端の駅。とはいっても、無人駅で、それほど見るべきものはない。駅前の店舗でマンゴージェラートを食べながら時間を潰す。濃厚で美味しい。

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西の開聞岳を目標に進む

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大山駅無人駅)を通過

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線路脇の道を進む

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西大山駅に到着

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ここは知っている人は知っているJR最南端の駅

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駅前のマンゴージェラートはお勧め

 駅を眺めているとぽつりぽつりと観光客が訪れる。乗車するつもりはないようで、写真を撮り終えるとさっと自動車で帰っていく人がほとんどだ。乗ろうと思っても、この駅を通過する列車は2時間に1本ほどしかないので、難易度が高い。

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駅にはこれといって何もない

 16:30を過ぎたころから、カメラを手にしたその筋の方たちが集まりだした。そんな中を16:55発の指宿枕崎線の列車にただ一人乗車して、九州自然歩道73日目番外編を終えることとした。

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駅に集まった人たちはこんな写真を撮ると車で帰っていった

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西大山駅から乗車したのは私一人だった

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2021年1月9日 九州自然歩道 73日目番外編 薩摩半島南端珍味四品盛合

竹山~山川砂蒸し温泉~山川発電所西大山駅 晴れ 気温7/2℃ 行動時間7時間48分 距離14.4km 24675歩(今回のログは九州自然歩道トレッキングには加算せず)

韓国嶺東線ソラントンネル

 仕事でときどき韓国のソウルに行く機会がある。ソウルでは友人がいつも歓待してくれ、とても楽しく過ごすことができる。

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 2019年2月のことである。このときのソウルでの滞在の予定は4日間。1日目の仕事の後、3、4日目は仕事があったのだが、2日目は予定がなく、まるまる1日空いてしまった。その日の予定がないことをソウルの友人に知られたりしたら、おそらく仕事を休んでまで何かイベントをこしらえてくれる。それはそれで大変うれしいのだが、これまでも何度か私のために仕事を休んでいるはずだ。それを考えると気が重くなる。彼らとはこれからもずーっと仲良く、信頼できる友人として付き合っていきたいから、お互いの負担を少しだけ減らしたいと思う。そこで、一人でもソウル近郊で楽しむことができ、かつ友人にも単独行動をとることが納得できる1日のプランを考えてみることにした。

 ソウル近郊の地図を眺めていると、ソウルの東にある平昌Pyeongchangピョンチャンという文字が目に飛び込んできた。ここがいい。2018年に開催されたオリンピックの開催地を見物に行くといえば、彼らも納得し、喜んでくれるに違いない。

 さて、平昌までどうやっていくか。地図を見ると、ソウルから平昌まで鉄道のシンボルが書いてある。そういえば、平昌オリンピックに合わせて、韓国版高速鉄道が開通していたなと思い出す。KTXという韓国自慢の高速鉄道だ。平昌の東の海岸沿いには平昌オリンピックでスケートやカーリングなどの競技が開催された江陵Gangneungカンヌンもある。これまで行ったことのない韓国の東海岸の都市を訪問することにしよう。

 そこで韓国の鉄道路線図を見ていて気がついた。海に面した都市の江陵からは、海に沿って南に進む嶺東線Yeongdong Lineが延びているのだが、その路線から西に分岐している太白線Taebaek Lineは途中でクルリと1回転しているのだ。おそらくループしているのだろうが、その半径がいやに大きい。これは自分の目でどんなところなのか確かめてみないといけない。ということで、1日空いたソウルの休日は、江陵までKTXの旅を楽しんだ後、韓国東海岸の鉄道のループ線を体験するために使うことにした。

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 当日の朝はホテルから地下鉄を乗り継いで、KTX江陵線Gangneung Lineの始発駅であるソウル市内の東にある清涼里Cheongnyangni駅に7:30に到着した。KTXは発車の20分前までに切符を購入のことと書いてある。まずは窓口で清凉里 8:22-江陵 9:58の切符を購入して、駅のキオスクでサンドイッチと飲み物を購入した。

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清涼里Cheongnyangni駅

 ホームに行ってみるとすでにKTXは入線していた。ほどなくドアが開き、7号車14Dの指定席に着席した。乗車率は70%ほど。二人掛けが2列並ぶシートレイアウトで、隣に座る人はビジネスマン風の人だった。車内は日本の新幹線の雰囲気と同じ。ビジネス客が半数ぐらいを占め、静かな車内だった。

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KTXはすでに入線していた

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清涼里-江陵のKTXのチケット

 定刻通りに清涼里駅を出発し、市街地を抜けていく。線路の両側はフェンスで囲まれており、車窓からの眺めはそれほど良くない。8:48に揚平Yangpyeong駅に到着し、隣のビジネスマン氏は下車していった。次いで、9:16に横城Hoengseong駅、9:26に屯平Dunnae駅に停車した後、平昌駅には9:37に停車した。KTXの車窓から見える限りでは、平昌駅の近辺では厳冬期にかかわらず雪はほとんどみることができなかった。冬季オリンピックの際にも雪不足で苦労しているようだったなと思い出す。

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線路の大半はフェンスで囲まれており眺望はあまりよくない

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平昌駅周辺には雪はほとんど見られなかった

 定刻どおりに平昌を出発したKTXはトンネルに入り、出たところは平野部となった。左に緩いカーブを描いて、終点の江陵駅には定刻どおりの9:58に入線した。

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江陵駅に到着

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KTXの先頭車両はこんな形状

 江陵駅はいまだにコンクリートが硬化するときの独特な臭いの残る新しい駅だった。まずは、ソウルへの復路の列車の切符を購入するために窓口に向かった。江陵から嶺東線で東海Donghae、新基Singiから大白線で太白Taebaek、堤川Jecheon、そこから中央線に乗り換えて清涼里までループ線を経由してローカル線でソウルに帰る乗り換えなしの列車は江陵14:10発が1便ある。窓口の女性に説明したら、「え、それ?」という顔をされたが、無事に切符を購入することができた。

まだ新しい江陵駅

ローカル線経由の帰りの便も確保できた

 駅前には五輪のシンボルとマスコットが並んでいた。オリンピックの開催地の名残を撮影した後、駅前の食堂で朝食をとった。

江陵駅

駅前の食堂でもやしスープの朝食 美味しくお値頃

 食事を済ませたが、ソウルへの列車の発車時刻まではまだ3時間以上ある。駅の周辺を歩いているとレンタサイクルの店が見つかった。自転車で江陵の町を散策することにした。

レンタサイクル店で自転車を借りる

 自転車でオリンピックパークに向かい、フィギュアスケートカーリングの試合会場を見学した。次いで鏡浦湖に沿って東に向かい、海岸に出た。江陵は海辺にコーヒーショップの並ぶエリアがあり、それぞれの店がオリジナルのコーヒーを競っている。地元の人に聞いて、老舗として有名な店に入ってハンドドリップのコーヒーを飲んで、江陵駅に戻った。

江陵オリンピックパーク内のアイスアリーナ

鏡浦湖をグルッと一周

東海(日本海)に面した鏡浦海水浴場

海岸沿いのコーヒー通りが有名

 駅構内のコンビニで好物のキンパ(韓国風海苔巻き)と数点のおやつと飲み物を購入して、これからの6時間の長丁場に備える。

 14:00前にはすでに2番ホームにソウル行きの列車が入線していた。車内は二人掛けが2列並ぶシートレイアウト。クッションの良いシートで助かった。

ソウルへの復路はこの列車で乗り換えなし

快適な車内だった

 江陵からは海岸に沿って南に進む。進行方向左の窓側の席をリクエストしていたため車窓から海が見える。北朝鮮との国境が近いためか、このあたりの海は海岸線には有刺鉄線の張り巡らされたフェンスが設置してある。

美しい海岸線だが鉄条網が無粋

 15分ほどで海に面した駅に到着した。正東津Jeongdongjin駅だ。駅を過ぎたところで、山の上には旅客船が現れてびっくりした。Sun Cruise Resort and Yachtという客船の形をしたリゾートホテルだった。

正東津駅は海に直結

山上の客船にびっくり

 東海駅からは川に沿って山手に入る。次第に山が深くなる。

東海駅を過ぎる

西の山中に進む

 地図でループが始まるあたりの道渓Dogye駅を過ぎてから、トンネルに入った。長いトンネルだ。スマホのコンパスを標示して方向を確認したら、ゆっくりと列車が右回りに方向を変えながら進んでいるのがわかった。ちょうど360°になったところで周囲が明るくなり、トンネルの外に出た。

道渓駅を過ぎる

トンネルに入り窓の外が暗くなる

コンパスのアプリで進行方向を確認

 トンネルを出ると山間の大きな町に出た。太白Taebaekの町だ。16:00ごろに大白駅に到着し、しばらく停車した。

山間の大きな町は太白

 その後も順調に進み、終点の清涼里駅には20:05の定刻どおりに到着した。江陵駅を出発してからおよそ6時間。ずいぶん長い列車の旅だったが、楽しい1日だった。清涼里から地下鉄でソウルの中心地に戻り、晩ご飯とすることにした。

6時間の車内の旅の後にようやくソウルに到着

 ソウルに戻ってから調べたところ、このトンネルは、嶺東Yeongdong線の道渓Dogye駅と東栢山Dongbaeksan駅との間をつなぐソランSolanトンネルだった。16.7kmもあるループトンネルで、2012年に開通。2001年に着工して、完成まで10年以上を要しているので、難工事だったのだろう。以前はスイッチバックを有する急勾配区間で、そのころは3段スイッチバックとオメガループという鉄道マニア垂涎の鉄路だったよう。ループトンネルもそれなりにわくわくしたが、車窓からの景色が楽しめないので、スイッチバックの方がポイントが高い。

 さて、ソウルの友人の一人は今年リタイアして、いまはもっぱらボランティアに従事している。2020年3月のリタイアメントパーティに招待されていたが、7月に延期になり、それも中止となってしまった。若い頃に日本に留学経験があり、リタイア後にはしばらく日本を訪問したいと言っていた。福岡の私の家にも何日か滞在してもらう予定なのだが、コロナ禍の現在はそれも果たせないまま。早くその日が来てくれるように願っている。

2020年12月26日 九州自然歩道 72日目 鹿児島県指宿市開聞~指宿市山川 眺望絶佳の開聞岳 眺めて良し、登って良し、頂からの景色はさらに良し

 今回は2020年最後の九州自然歩道トレッキングとなる、開聞から山川までのレグ。前回のトレッキングでは開聞岳への登山口のある指宿枕崎線開聞駅まで歩を進めた。ところが、福岡から開聞までの公共交通機関によるアクセスはなかなか難易度が高く、福岡を始発で出発しても正午を過ぎてしまう。日曜日はめずらしく用事が入ってしまったため、土曜一日で薩摩半島最後の残り40km近いレグを歩き終えてしまいたい。やむなく、金曜に福岡を発ち、開聞に近い指宿枕崎線の山川のホテルに前泊することにした。

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指宿枕崎線山川駅に到着

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山川港からは大隅半島の根占に行くフェリーが発着する

 当日は、山川駅から6:11に出発する指宿枕崎線に乗車して6:32に開聞駅に到着した。乗客は3人。下車したのは自分一人だけ。まだ暗い。東の空をみると少し紫がかってきている。ジャケットのジッパーを少し上げて行動を開始した。

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始発の指宿枕崎線で開聞に到着

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 駅から200mほど東に進むと、かいもん山麓ふれあい公園のゲートが見える。ここから正面に見える開聞岳を目指して舗装路を歩き始める。だんだん周囲が明るくなり、公園のテント場が見えてきた。ここから見える限りでは、テントを張っている人はいないようだ。

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 登山口には7:00に到着した。さすが百名山の1つだけあって、登山路はよく整備されており、踏み跡がしっかりついている。砂礫の山道で、誰もいない山中にサクサクと足音が聞こえる。次第に周囲が明るくなってきた。

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2合目で舗装路は終わり登山道になる

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 砂礫の山道は少し滑りやすい。7:30に3合目を通過した。少し汗ばんできたため、上着を脱いでザックに詰め込んだ。7:32にはあっという間に4合目を通過。7:47に5合目に到着し、ちょうど対岸の大隅半島のむこうから上り始めた太陽を木製のデッキで眺めながら、サーモスのお湯で喉を湿らせた。

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快適な山道が続く

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5合目のデッキからの眺望も良い

 その後も状態のよい山道が続き、8:04に6合目を通過し、次いで8:18に7合目を通過した。開聞岳の登山道は、北に位置する開聞駅から南にある頂上に向かってほぼ360°のらせん状に右回りとなっており、いちどもスイッチバックがない。数字の6の鏡像のように進んでいく。7合目からは大隅半島が南端の佐多岬まで一望できる。南の海上には硫黄島が浮かび、目を凝らすとうっすらと屋久島と思われる島影が見える。振り返れば頂上はもうすぐだ。日の出を見るために登ったという方が下山するのとすれ違った。

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6合目ぐらいからゴロゴロの岩となる

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7合目からの眺望が素晴らしい

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頂上もすぐそこに見えてきた

 この先はすこし大ぶりの岩を乗り越えるところが出てくるが、難易度の高いところはない。8:32にらせん状の登山路が270°ほどまで進んだ位置になる8合目を通過した。前回のレグのスタート地点であった枕崎がズーッと先に見える。9合目は8:50に通過。はしごやコンクリートで固められた階段があり、歩きやすい。

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8合目付近ではさらに岩のサイズが大きくなる

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8合目では西の方向の眺望が目の前に拡がる

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最後にはしごが1か所

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ステップもつけてある

 9:04に開聞岳山頂(924m)に到着した。油断していると吸い込まれそうなぐらい美しい眺望が眼下に拡がる。北に見えるのは池田湖。西には頴娃、枕崎へと連なる海岸線が続く。東には大隅半島が南端の佐多岬まで伸びる。頂上の岩の上に立って南を眺めると、山上から噴煙を上げる硫黄岳を有した硫黄島が見える。風はなく、雲もほとんどない絶好の登山日和。こんな日に百名山の一つに登ることができて感謝しかない。

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開聞岳山頂に到着 北には池田湖

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西には枕崎まで続く海岸線

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東には佐多岬まで続く大隅半島

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南には硫黄島とうっすらと屋久島が

 頂上の岩の上に腰掛けて、素晴らしい眺望を楽しみながらおにぎりの朝ご飯を食べていると、同年代の登山者がやってきた。北九州からお越しの方で、九州百名山全山踏破を目指し、現在30座ほどを終えたところという。これまで登った山やこれから登る山の談義に話が弾む。

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 九州百名山氏とお互いの安全を祈念した後、9:40に下山開始。そろそろ登ってきた登山者とすれ違い始める。上りの登山者に道を譲りながらゆっくりと下山したが、10:36には5合目に到着した。5分ほどの小休止の後、下山を再開し、11:10には2合目の登山口に到着した。ここからは西にコースを変え、開聞岳山麓の周回路に向かう。ふれあい公園のテントサイトを横に見ながら進むと、手打ち蕎麦ののぼりがはためくのが見えた。時間は少し早いが、ここから先の10km以上の区間には店舗はない。早めの昼食にしようと、ザックを下ろすことにした。

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ふれあい公園を先に進む

 蕎麦は美味しかった。手打ちと思われる、やや平たく、太めで断面の不揃いな蕎麦。喉ごしがよく、香りも良かった。冷たい水でシャキッと締められてコシもあり、甘めのつゆとよく合った。定食を頼んだら、おでんとおにぎりと小鉢も付き、とてもリーズナブルだった。その一方で、表記はなかったが、何から何まで徹底したセルフサービス。席の案内はなく、お茶は自分でいれ、番号で呼び出されて、蕎麦をカウンターに受け取りに行った。とどめには、食べ終わって店を出ようとすると食器をカウンターに戻せと言われた。厨房内では5名ほどの女性がさっきからおしゃべりに興じている。どうやら、調理する係とテーブルのアルコール消毒をする係と客に指示を出す係に明確に分かれており、他の業務はしない方針のようだ。せっかく蕎麦が美味しかったのに残念だ。洗い物係がいないので食器を洗ってから帰れと言われたら困るので、さっさと店を出た。

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蕎麦は美味しく値段も良心的

 12:10には塩屋集落を通過して、枕崎まで見渡せる海岸に出た。ここからは開聞岳山麓の周回路に入る。周回路は舗装されており、ときおり山麓の圃場に向かう軽トラックが通過するのみ。畑の向こうの開聞岳が美しい。開聞岳は、近くで見ても、遠くから見ても美しい。

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塩屋集落を通過

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南国ではネコものんびりしている

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塩屋集落の先は海

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振り返ると開聞岳

 30分ほど周回路を進むと、白い慰霊塔が海に向かって立ち並んでいるのが見えてきた。ここは花瀬望比公園というフィリピン戦没者追悼施設だった。説明書きを見て分かった。望比とは、フィリピンを望むという意味だったのだ。この公園は戦没者の魂を慰めるためのもの。悲しいほど海が美しい。

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海まで続く慰霊塔

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その先にはフィリピンでの戦没者を悼む記念碑が

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この海が美しすぎる

 海に浮かぶ開聞岳の南端にあたる開聞崎を13:35に通過した。しばらく進むと舗装状態が悪くなり、前方にトンネルが現れた。内部には照明はなく真っ暗で、進むのを逡巡した。トンネルは幅が3mにも満たず、自動車が1台ようやく通れるほど。サングラスをつけたまま内部に進むと何も見えない。サングラスを外してしばらくしたら、ようやく暗順応して前方が見えてきた。しばらく我慢して進んだら、トンネルには上部に明かり取りの窓が開いていた。トンネルは200mほどで出口にたどり着いたが、その先にもまたトンネルが控えていた。

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開聞岳を眺めながら周回路を進む

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どこから見ても美しい

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いくら見ても見飽きない

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開聞崎からは大隅半島が近い

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いきなり真っ暗なトンネルが現れた

 次のトンネルは長い。しばらく進むと、前方から飛行機のエンジンのような音がかすかに聞こえてきた。音はだんだん近づいてきて、自分を捕獲しに来た宇宙人が搭乗するホバークラフトのような乗り物が向かってきたような気がする。カーブを曲がったところで、左右に2つのライトが見えて自動車だとわかってホッとした。避けるスペースもないので真ん中を歩いていたら、ようやくドライバーが気がついたようで、ずいぶん先で止まって待っていた。たぶん、出た!と思ったようだ。ゆっくりと自動車の横を歩いて通過したら、こちらには目を合わせずに、逃げるように走り去った。地図で確認したら、2つめのトンネルは500mほどの長さがある。気の小さな人や霊感の強い人は、一人で歩いて通過するのは無理かもしれない。

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ようやくトンネルを抜けたと思ったら2つ目のトンネルが現れた

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2つめのトンネルは長いのでライトの準備があった方がよい

 2つめのトンネルを抜けると道路は急に広くなり、14:13には開聞山麓自然公園の入り口に到着した。フェニックスの並ぶ道路を歩き、14:18に周回路を歩き終え、薩摩川尻の集落の中を進み始めた。

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開聞山麓自然公園からガラッと明るくなる

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川尻集落のどこからでも開聞岳が見える

 家の建ち並んだ細い道を歩いて集落を抜けると、10分ほどで県道242号線に合流した。道路の左側にはキャベツやレタスの畑が拡がる。右手には海が拡がっているはずだが、防風林のために海は見えない。残念だ。潮騒だけが聞こえてくる。振り返ると開聞岳がすっくと聳える。

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キャベツ畑がひろがる

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レタス畑も

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どこに行っても開聞岳に見守られている

 14:56に県道243号線に突き当たり、長崎鼻に向けて右折する。ここからは1kmほどで薩摩半島の最南端になる。観光客が多いのか、県道243号線は交通量が多い。地図を見ると海沿いに道路があるので、せっかくなので県道を外れて海沿いに進むことにする。海辺の畑にはアロエが栽培されていた。ところが、もう少しで長崎鼻というところで突然道が途切れ、先は藪、右手が崖、左手も崖という状態になった。地図ではまっすぐ50mほどで舗装路に出るはず。藪漕ぎで先に進むが、どうしても道が見つからず撤退。やむなく左手の崖を登って県道243号線への復帰を試みたが滑落して出血。意気消沈して元の道に引き返して、正規ルート長崎鼻に進むことにした。

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アロエの花が咲いているのに気をよくして進むが

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激藪に阻まれて撤退

 ようやく長崎鼻に着いたのは、30分以上回り道をした15:50。ここは浦島太郎伝説の地とのことで、竜宮城の形をした神社がある。先端には灯台。ここからの開聞岳も素晴らしい。まったく惚れ惚れする姿だ。

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長崎鼻の竜宮城

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灯台の先には東シナ海がひろがる

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ここから眺める開聞岳も完璧

 長崎鼻からは同じ道を県道243号線まで引き返して、フラワーパークかごしまの横を通過。16:54に山川岡児ケ水(ちょがみず)、山川浜児ケ水の住宅地を抜ける。町の中には温泉がある。美肌の湯と書いてある。浸かってみたかったが、長崎鼻での回り道のため時間が厳しくなってきたので先に進む。

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児ヶ水の集落にも石垣に囲まれた家が多い

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美肌の湯 徳光温泉

 児ケ水の住宅地を抜けると、両側に圃場の拡がる立派な県道に合流した。右に曲がると砂蒸し温泉の看板。左には地熱発電所が蒸気を出すのが見える。このあたりはどこを掘っても温泉が出そうだ。砂蒸しもしてみたい。ここにはいつか再来したい。

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山川地熱発電所

 正面には奇岩の竹山が近づいてきた。時間があったら竹山にも登ってみたかったが、ここは山頂までの道はついていないようだ。時間は17:37で、日没を過ぎており、すでに辺りは暗い。

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竹山の奇岩が目の前にドーン

 竹山から、本日の目標の山川港まではおよそ6km。すでに辺りは暗く、ときおり通過する自動車は、歩行者に気がつくとびっくりしたように大きく避けていく。

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 景色がよく見えないまま先を急ぎ、山川港には18:25に到着した。ここは次のコースの大隅半島の根占までのフェリーの発着するところ。ここでトレッキングを終えたいところだが、山川駅までのバスはすでになく、タクシーも停まっていない。やむなく山川駅まで、あと2km歩くことにした。

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ようやく目標地の山川港に到着

 交通量が多く、歩道のない国道269号線を歩いて山川駅に到着したのは18:48。開聞岳に登り、37km超を歩いた、長い一日がようやく終わった。19:56に出発する列車の時間まで、駅前の食堂で鰹のタタキでも食べてゆっくり過ごすことにした。

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鰹のタタキが美味い

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2020年12月26日 九州自然歩道 72日目 鹿児島県指宿市開聞駅指宿市山川港 晴れ 気温13/8℃ 行動時間12:19 距離37.4km 59109歩

往路交通:西新13:06福岡市営地下鉄-博多13:19/13:36九州新幹線みずほ607号-鹿児島中央14:55/15:02指宿枕崎線-山川16:22 山川前泊 山川6:11-開聞6:32

復路交通:山川19:56指宿枕崎線鹿児島中央駅21:10/21:36九州新幹線つばめ350号-博多23:23

2020年12月20日 九州自然歩道 71日目 鹿児島県枕崎市枕崎駅~指宿市開聞駅 開聞岳 に目が釘付け

 本日も昨日に引き続き、枕崎市内のホテルからのスタート。ホテルで朝食を済ませ、7:30に行動開始。枕崎駅から20分ほど南に歩いたところで枕崎港に出て、九州自然歩道に復帰した。枕崎港の向こうの山には風車が多数並んでいるのが見える。太陽が昇り始めた東の海に目を転じると、開聞岳の肩越しに太陽が昇ってきた。空は雲量1の快晴。いいタイミングで歩くことができた。

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朝の枕崎港 山の上では風車がゆっくりと回る

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ちょうど開聞岳の背後から太陽が昇ってきた

 枕崎港からは海岸線に沿って東に進む。行く手には野焼きのような煙がたなびいているのが見える。こんな朝早くから草取りをして燃やしているのかなと思ったが、煙に近づくにつれ正体がわかった。流れてきた煙からは鰹の匂いがする。この煙はかつおを燻製にする煙の匂いだ。見れば、煙の出ているどの工場の周囲にも、大量の薪が積まれている。枕崎は鰹節の有数の産地だったなと思い出す。この煙の中を歩いただけでも、枕崎に来た甲斐があったなと思えるほど、他では経験できないような濃厚な鰹の香りを身体中で浴びることができた。

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工場から煙がたなびく

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鰹節工場からの煙だった

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どの工場にも薪が大量に積み上げられている

 8:00ごろには枕崎港から国道226号線に合流し、枕崎の市街地を出た。岩戸山が海に落ち込むところを通過する峠にさしかかると、小高い岬にいたる道路の脇に見事なアコウが並んで生えていた。アコウはクワ科の植物で樹勢は強い。気根を垂らしているところなど、いかにも南国の雰囲気がある。

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遠見番緑地のアコウ並木

 さらに国道226号線をひたすら東に向かう。薩摩板敷駅近くの踏切ではまっすぐ海に続く道が見えた。九州自然歩道は国道226号線を歩くのだが、この道には歩道はあるものの、交通量が多く快適ではない。国道に並行するように、指宿枕崎線の線路に沿って畦道が続いているのが見えるため、こちらを歩くことにする。開聞岳が正面に見えてきた。

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踏切を渡ると正面は海

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東には開聞岳

 しばらくは地図を見ながら東に向かうように畦道や集落の中を進む。集落に到るまでは広い圃場が続き、港に近い集落は細い路地に向かい合うように家々が連なっている。薩摩酒造の貯蔵施設が集落の中に現れた。

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畑の中に立つのは製糖工場か

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畑の向こうには海

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集落の家々は肩を寄せ合うように狭い道を挟んで並ぶ

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集落の中に薩摩酒造の倉庫

 塩屋集落を9:50に通り過ぎたところで堤防に沿った道に出た。防波堤の向こうには開聞岳が聳える。完璧な円錐形の山だ。目が釘付けになる。あまりに美しいので、ここでしばらく休憩することにした。ホテルで淹れた熱いお茶を飲みながら開聞岳を眺める。いつまで見ても、飽きない。

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塩屋集落で海に出た

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こんな開聞岳に目を奪われた

 今日はできるだけ開聞岳を眺めながら歩こうと、ここからなるべく海岸沿いの道を選んで進む。塩屋集落から先は防波堤の道を歩くが、防風林にさらに風よけの工夫がしてあるのが見える。きっと台風のシーズンなどは猛烈な風が吹くのだろう。

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暴風仕様の防風林

 松ヶ浦の集落、門の浦の集落を通り過ぎる。いずれも美しい港を持った小さな集落で、集落内の道は狭い。その後も大川、水成川、石垣といった集落の中を歩いて進んだが、石垣から先は国道226号線以外のコースがとれない地形となっていた。やむなく12:00に国道に復帰し、歩き始めたところでちょうど定食屋があったためお昼ご飯とした。

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松ヶ浦

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門の浦

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大川漁港

 地元の方たちで賑わう食堂での昼食を終えて、12:30に行動を再開した。地図を仔細に眺めたが、ここからは国道226号線を歩くしか方法はなさそうだ。しかし、フェニックスの並木の続く国道も風情があってよい。さらに、交通量が少なければありがたいのだが。

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国道226号線に復帰

 13:00には木の元の薩摩酒造頴娃(えい)蒸留所を通過した。南薩摩には焼酎の蒸留所が多い。

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薩摩酒造を通過

 国道の整備状態は良好。歩道も設置してある。並木のフェニックスが南国感を醸し出している。道路の左側には大野岳が見える。右には開聞岳がさらに近づいてきた。

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こんな道も良い

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道路の左手には大野岳

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道路の右手には開聞岳

 西頴娃の街のコンビニでコーヒーの休憩の後、しばらくは山に近い道を歩いていたが、その後、国道は一気に海岸に近づく。昼下がりの太陽が、水面から柔らかく照り返してくる。カーブを曲がったところで開聞岳が正面に現れた。いやー、この開聞岳はたまらない。まったくお酒は飲めないのだけれども、この開聞岳を見たら焼酎をグッと一口飲みたくなるような、そんな開聞岳が目の前に現れた。

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国道226号線が海に向かう

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その先にはこんな絶景が

 開聞岳撮影の絶景スポットとされる瀬平自然公園には14:23に到着した。ここでもしばし休憩。碧い海と青い空、緑の開聞岳と白い波打ち際の織りなす絵は最高。葛飾北斎が南薩摩に来る機会があったならば、間違いなく開聞三十六景を描いていたと思う。

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これが本日のベストショット 下戸でも焼酎を飲みたくなる開聞岳

 15:00に入野駅を通過し、北側からの開聞岳をじっくりと眺めながら15:30に指宿枕崎線開聞駅に到着。これにて行動終了とした。次回は開聞岳登山からトレッキングを再開する。楽しみだ。

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菜の花の向こうの開聞岳

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JR指宿枕崎線開聞駅に到着

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次回はここから開聞岳登山

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 2020年12月20日 九州自然歩道 71日目 鹿児島県枕崎市枕崎駅指宿市開聞駅 晴れ 気温11/6℃ 行動時間8:04 距離30.2km 45961歩

 復路交通:

東開聞16:48-鹿児島中央18:43/19:06九州新幹線さくら408号-博多20:43

2020年12月19日 九州自然歩道 70日目 鹿児島県南さつま市坊津今岳~枕崎市枕崎駅 丸木崎からの坊津の海の荘厳な眺めは必見

 本日は枕崎駅の近くのホテルからのスタート。枕崎までは福岡から最速で5時間弱で到着できるのだが、枕崎からトレッキング再開ポイントの坊津町今岳までのバスの本数が1日4本と少ないのがネック。前泊しないと午後1時ぐらいからのスタートとなってしまう。やむなくホテルに前泊することにしたが、土地の料理を楽しんだり、観光地を訪れたりすることもできるので、それほど悪いことではない。

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前泊の夕食に食べた鰹のたたき

 枕崎駅前から8:25の鹿児島交通バスに乗って出発。バスは国道226号線を北上してトレッキング再開地の今岳に向かうが、今回はバスの路線がほぼトレッキングのコースになる。枕崎駅前から終点の今岳まで乗客は自分一人だけ。申し訳ない。

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枕崎駅前からバスに乗る

 今岳には定刻の9:20に到着。九州自然歩道はここから国道226号線を南下して枕崎に向かうのだが、今回は先週、今岳のバス停で話しかけられた今岳神社の管理を代々100年以上されてきたという女性のお勧めの今岳に、まずは登ってみることとした。

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今岳に到着 後方に見えるのが今岳

 国道226号線を1kmほど北上し、今岳への登山道への分岐点に到達した。ここからは未舗装の道だが、轍が付いているところから、ときどき自動車は進入してきているよう。最後の150mほどは、ロープの張られた岩場を上り、頂上(268m)の神社に到着した。山の最上部は神社を守るための木に囲まれているため眺望はなかったが、山道の途中からの眺望は良好。頂上では少しだけ水を飲んで、のどの渇きをいやして、すぐに下山を開始した。

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今岳への登山道

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途中の眺めは良好

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今岳頂上の祠に到着

 今岳の集落を10:39に再び通過し、今度は国道226号線を南下して坊津久志(ぼうのつくし)に向かう。木々の切れ間から海が見える。歩道はないが、交通量は少なく、危険を感じることはない。

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今岳を後にする

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国道226号線を南に進む

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久志の海が見えてきた

 眺めを楽しみながらゆっくりと歩いて、11:23に坊津久志の集落に到着。山の上には風力発電の風車がゆっくりと回っている。久志の集落を抜けて海岸沿いの道を歩く。潮騒が心地よく耳に響く。久志の浦の出口には小島が並んでいるのが見える。久志港近くには立派なアコウの木が2本立っている。この木は福岡で見ることはまずない。

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久志の集落の山では風車が回る

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波の音が心地よい

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湾の出口に小島が浮かぶ

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道路沿いには立派なアコウの木

 久志からは峠に向かい、しだいに高度を上げる。国道226号線が丸木崎トンネルに入るところには向かわず、トンネルの上に続く旧道に進む。この旧道は丸木崎の先端まで行く眺めのよいコースで、バスの通り道でもある。半島の先端の草島岩礁や丸木浜キャンプ場の砂浜が見える。岬の先端を回り込んだところにある丸木崎展望台には12:18に到着した。ここからは泊浦の湾内に浮かべられた養魚施設が見え、周囲をトビが気持ちよさそうに飛翔している。

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峠を超えると丸木浜が見えてきた

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岬の先端の岩も見えてきた

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丸木崎展望台の眺望が素晴らしい

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泊浦に浮かぶ養魚施設

 丸木崎展望台からゆっくりと高度を下げていき、トンネルから出てきた国道226号線を横切って泊の集落の中に進む。ここは百戸ちかくの家の並ぶ比較的大きな集落だ。背後の山の上には7基ほどの風車がゆっくり回っている。このあたりも風の強いところなのだろう。家の多くはコンクリートの塀で囲まれている。

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丸木崎から泊の集落に降りてくる

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泊の山でも風車が回る

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泊浦も透明度が高い

 泊は谷崎潤一郎の家の家政婦さんの出身地で、谷崎は泊出身の女性をとても気に入っていた。家政婦さんが辞めた後、当時の坊津町長さんに次の家政婦も泊から斡旋して欲しいとの手紙を送っている。泊にはどんな気立てのよい女性がいるのだろうかと町の中を探しながら歩いたが、残念ながら道端で女性を見つけることはできなかった。

 泊漁港は岬に囲まれた波の静かな漁港で数隻の漁船が係留されている。湾の向こうには先ほど歩いてきた丸木崎の岩壁が見える。こちらから丸木崎を見ても景色がよい。

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泊漁港

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泊浦の向こうに丸木崎

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丸木崎の断崖から見た景色が素晴らしい

 泊漁港の先の泊トンネルを抜けたところにある輝津館という坊津歴史資料センターには13:16に到着した。ここでは坊津が遣唐使の拠点として使われてきた歴史や、密貿易で栄えてきた経緯などを知ることができる。輝津館のテラスからは、坊津のシンボルである双剣岩を望むことができる。でも、じつを言うと思ったよりも小さくてがっかりだった。

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坊津の歴史を伝える輝津館

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中央近くに見えるのが双剣

 輝津館の受付は女性だった。ようやく泊の女性に会えた。しかし、このあたりにどこか食事のできるところはないかと尋ねるが、枕崎までないとにべもない答え。谷崎潤一郎のようにここからお手伝いさんを迎えることはなさそうだ。

 もう午後1時を廻り、お腹は確実に空いてきた。今岳からここまでの間に食堂は5つ以上あったが、いずれも営業していなかった。地図で集落がたくさんあるからどうにかなるかと食料は持参していない。コースから少し外れ、中坊の集落の中を探してみると、2軒の食堂はいずれも営業しておらず、1軒の和菓子屋さんが営業していた。やむなく、和菓子をいくつか購入し、眺めの良い所で食べようと歩を先に進めた。

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中坊の集落

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太鼓橋

 14:50に枕崎市と坊津町との間の耳取峠に到着した。ここは枕崎の市街や開聞岳まで一望できる眺望のよいところ。ここでホテルから持参したお茶と一緒に和菓子の休憩とした。耳取峠とは変わった名前だなと解説の表示を読んでみると、昔はこの峠で罪人の耳を切り取っていたことからつけられたとする説があるとのこと。眺めとのギャップにビックリした。

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坊津を離れて峠が近づいてきた

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耳取峠から枕崎の市街地と開聞岳を眺める

 おやつの後は国道226号線を快調に歩き、枕崎市の境界を越えた。15:20に春日で国道226号線から右折して立神のある岬に向かう。のどかな田園風景の中を歩くが、12月なのにもう菜の花が咲いていた。菜の花の先には本坊酒造の工場が見える。

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枕崎市に入った

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国道を離れて菜の花の中を岬に向かって進む

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本坊酒造の工場が見えてきた

 岬の先端には平和公園があった。この岬を越えて多数の特攻隊が南の海に散っているのだ。白い石塔には個人の名が刻まれていた。いずれも自分よりもずいぶん若い。

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平和公園に続く道 白い石塔の一つ一つに若人の名が刻まれている

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慰霊碑の向こうには南シナ海

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夕日のきれいな海岸だ

 16:06に岬の先端の立神岩に到着。この辺り一帯は火の神公園となっており、キャンプ場もある快適なエリア。東には開門岳が正面に見える。いつかここにテントを張って、朝日に照らされる開聞岳を眺めながらコーヒーを淹れてみたい。

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枕崎のシンボルの立神岩

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東には開聞岳が聳える

 立神岩からは海沿いに進み、枕崎の市街地に向かう。その名もズバリ、かつお公社というお土産店をのぞき、鰹の生節をお土産に購入した。その後は薩摩酒造の酒蔵に立ち寄り、17:23に枕崎駅近くのホテルに到着して、本日の行動を終了とした。晩ご飯は、まずは地元の有名店の喜久屋食堂のさつま黒豚のカツ丼。これは美味かった。

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海沿いに枕崎の市街地に向かう

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かつお公社でお土産購入

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薩摩酒造の蔵に立ち寄る

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腹ぺこのおなかにさつま黒豚のカツ丼が効いた

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2020年12月19日 九州自然歩道 70日目 鹿児島県南さつま市坊津今岳~枕崎 雨のち晴れ 気温11/5℃ 行動時間8:03 距離30.7km 46905歩

往路交通: 博多16:44九州新幹線さくら559号-鹿児島中央18:09/18:38鹿児島交通バス枕崎行-枕崎20:09 前泊 翌8:25鹿児島交通バス今岳行-今岳9:20