とりあえず、歩くか。晴れた日は星空の下で寝るのもいい。

週末の九州自然歩道のトレッキングや日常の雑感です。英語版のトレッキングログもこちら https://nayutakun.hatenadiary.com/  で公開しています。

九州自然歩道 俗世のことを忘れて歩く

 九州自然歩道は、九州7県にまたがる総延長2932kmの自然歩道。1969年に厚生省(当時)が提唱し、1971年に設置された環境庁(現環境省)に所管が変更された長距離自然歩道構想に基づいて、各都道府県が事業主体となって整備された長距離自然歩道のひとつである。

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 整備計画に基づいて、1970年に東海自然歩道(1697km、現在1734km、http://www.tokai-walk.jp/参照)の整備を開始している。九州自然歩道は2番目の1975年に整備を開始し、1980年に全線を開通している(http://www.env.go.jp/nature/nats/shizenhodo/kyushu/index.html参照)。Wikipediaでは九州自然歩道の総延長を2936.9kmと記載しているが、公式資料では全長を2932kmとするものが多い。また、愛称はやまびこさんとされてはいるが、そんな呼び方をする人に会ったことはない。

 九州自然歩道の北の起点は北九州市皿倉山で、南の起点は鹿児島県の佐多岬となる。佐多岬は九州本土の最南端である。私の九州自然歩道トレッキングは、北の起点の皿倉山から反時計回りに周回するルートをとっている。2019年8月31日からとりかかり、週末にボチボチ歩いているが、直近の2020年1月26日までで、15日間かけて314.0kmを歩いた。

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 九州自然歩道には、ところどころ市街地を歩く部分もあるが、大部分は山岳や里山である。1日の行程中に1回も店舗や自販機等の補給の機会のない部分も多い。立派な標識の立てられた広葉樹に囲まれた心地のよい林道もあれば、路肩が崩落したり倒木で道の見えなくなったところも多々ある。晴れて気持ちのよい日もあれば、台風が直撃して吹き飛ばされそうな日に歩いたこともあった。

 それでも、歩いて楽しいかと言われたら、楽しいと即答できる。本当に楽しく、週末に前回の続きを歩くのが待ち遠しいのだ。ただし、何が楽しいのかと問われたら、そこが分からない。景色がよいかと言われたら、そんなところばかりでもなく、薄気味悪いところも通過しなければならない場面や、トラックの行き交う道路を数kmにわたって歩くところもある。

 真っ暗な山中で、動物らしき物音がする中を寒いテントの中で過ごすのは快適なものではない。山で食べるラーメンは最高!とはいうものの、福岡の西新地区のラーメン激戦区の店舗で食べるラーメンの方が間違いなくグレードが高い。

 だから、何が楽しいのか、自分でも分からない。強いて挙げるならば、俗世のことを忘れ、人の目のない山の中をただ歩くという行為に没頭することが楽しいのかもしれない。これは、修行か?

 ということで、九州自然歩道を歩き始めて半年ほど経過したが、楽しいのでまだ続けるつもりだ。しかし、週末のトレッキング開始地点がだんだん遠くなり、往復の交通も大変になってきた。九州自然歩道の全コースを踏破するかどうか分からないが、まだしばらくは続ける予定である。

 長距離自然歩道構想で整備対象となった自然歩道は8つで、東海自然歩道九州自然歩道に加え、次の(3)から(8)までの6つの自然歩道がそれにあたる。

(3)中国自然歩道 1970年整備を開始し、1983年に1周ルートと南北ルートが完成。全長2295km(http://www.env.go.jp/nature/nats/shizenhodo/chugoku/index.html参照)

(4)四国自然歩道(四国のみち) 1647km(http://www.env.go.jp/nature/nats/shizenhodo/sikoku/index.html参照)

(5)首都圏自然歩道(関東ふれあいの道) 1800km。各ルートは必ずしも連続していない(http://www.env.go.jp/nature/nats/shizenhodo/kanto/index.html参照)

(6)東北自然歩道(新・奥の細道) 4374km。1日で歩ける程度のコースが229ある。(http://www.env.go.jp/nature/nats/shizenhodo/touhoku/index.html参照)

(7)中部北陸自然歩道 4091km。(http://www.env.go.jp/nature/nats/shizenhodo/chu_hoku/index.html参照)

(8)近畿自然歩道 3296km。(http://www.env.go.jp/nature/nats/shizenhodo/kinki/index.html参照)

これらに加えて、2003年以降に整備計画が策定された、

(9)北海道自然歩道 計画路線の延長距離は4585kmで整備進行中。(http://www.pref.hokkaido.lg.jp/ks/skn/shisetsu/hodo_top.htm参照)

(10)東北太平洋岸自然歩道(みちのく潮風トレイル) 405km2019年6月19日に全線開通。(http://tohoku.env.go.jp/mct/参照)

もある。これらの長距離自然歩道をすべて合わせると計画総延長距離は約27000kmになる。1日30kmずつ歩いても3年ほどかかるので、全線を踏破するのはJR全線乗車よりも困難な事業になりそうだ。あ、私は乗り鉄ではないので、誤解のないように。