とりあえず、歩くか。晴れた日は星空の下で寝るのもいい。

週末の九州自然歩道のトレッキングや日常の雑感です。英語版のトレッキングログもこちら https://nayutakun.hatenadiary.com/  で公開しています。

2020年5月23日 脊振山系縦走 1日目 福岡市早良区脇山~福岡市早良区椎原小爪峠

 2か月ぶりの山行となる。ようやく自粛は解除されたものの、まだ県をまたいでの移動には制限がある。九州自然歩道のトレッキングに復帰したいところだがもう少し辛抱が必要そうだ。できる範囲でと考え、福岡県内での山行を試みることとした。

 今回のコースは、福岡県の最高峰である背振山(1055m)から脊振山系を県境に沿って西に進もうというもの。背振山から、鬼が鼻岩(802m)、猟師岩山(893m)、金山(967m)、井原山(982m)、雷山(955m)と、稜線を伝って行けるところまで行ってみようと思う。

f:id:nayutakun:20200525125030j:plain

背振山系の全体像 福岡県と佐賀県の県境となっている

 朝5:30に起床し、シャワーを浴びて準備を開始。6:40に家を出る。

 6:58の始発のバスで福岡市早良区脇山まで移動する。乗客は4名。誰もマスクをしていない。一人は山行スタイル。仲間がいてホッとした。バスは脇山に7:28に到着した。土曜日の朝で、交通量は少なく、スムーズに移動できた。本日は快晴。気温は18℃。山登りには最高の日和である。はるか前方に最初の目標の背振山のレーダーサイトが見える。

f:id:nayutakun:20200524074850j:plain

中央奥のレーダーが山頂に見える山が背振山 福岡県内の最高峰で1055m

f:id:nayutakun:20200524075033j:plain

今日は福岡市立の小学校の入学式だった 記憶に残る日になる

f:id:nayutakun:20200524075129j:plain

田植えも始まる

 脇山からは板谷峠に向かって舗装路を進む。最初の集落が椎原。ここには温泉があり、湯の野の名のバス停もある。ここの温泉旅館には泊まったことがないが、旅館のバイキングレストラン農(みのり)の昼食がなかなか美味しくて、ときどき食べに行く。清流沿いの店舗で、料理も、窓からの眺めも良い。

f:id:nayutakun:20200524075237j:plain

農の昼食バイキングはお勧め

 椎原の集落には気になる物件がもう一つ。TAOというホールだ。田んぼの中に忽然と現れるコンクリート打ち放しのホールで、以前、好奇心を抑えきれずに中を見学させてもらったことがある。室内楽ぐらいがちょうどよさそうな素敵なホール。ときどきプロのコンサートがあったり、地元のアマチュアが練習に使っているようだが、この場所での営業はとても難しそう。設計が誰かはわからないが、とてもおしゃれなホールなので何とかしてあげたいのだが。

f:id:nayutakun:20200524075325j:plain

山中に忽然と現れる音楽ホールTAO

 さらに先に進むと7.5km地点が荒谷集落。ここはわずか数世帯の集落。この集落を抜けると、カーブの連続が始まり、カーブの標識の番号が次第に増えてくる。

f:id:nayutakun:20200524075419j:plain

板谷峠に至る道路はこんなカーブの連続

f:id:nayutakun:20200524075520j:plain

自転車で駆け上がる人たちも多い

 10:24に標高653mの板谷峠に到着。スタート地点は標高数十mであったと思われるので、一気に600m上ったことになる。この峠はなかなかの難所で、台風のたびにがけ崩れを起こし不通になる。1000年ほど前に菅原道真はこの峠を通って大宰府に向かい、大宰府で謀殺されることを危惧して、峠の先の板屋集落に自分の子供を密かに預けたと言われている。板屋集落の住民の姓はほとんどが真子(まこ)。菅原道真の子供の末裔だということを示しているかのよう。

f:id:nayutakun:20200524075613j:plain

 板屋の集落まで12km。ここから右折して背振山への登山道に入る。登山道とはいっても、山頂には航空自衛隊のレーダーサイトがあるため、立派に舗装されたサービス道路がある。しかも交通量はほとんどなし。とても快適だ。山頂までは4.5km。木々の間から福岡の街が見えてくる。

f:id:nayutakun:20200524075658j:plain

背振山頂の自衛隊施設のために作られた舗装路

f:id:nayutakun:20200524075806j:plain

山頂までの道路は車の交通も少なく快適

f:id:nayutakun:20200524075857j:plain

木々の間から福岡の市街が見える

f:id:nayutakun:20200524075933j:plain

日当たりの良い斜面には藤の花が満開

f:id:nayutakun:20200524080025j:plain

f:id:nayutakun:20200524080059j:plain

 12:33に脊振山山頂に到着。コロナの影響で、駐車場が閉鎖されているため訪れる人は少ないが、それでも登山客がチラホラと見える。山頂で持参したお握りとうどんの昼食とした。食後はコーヒー。1055mの山頂の気温は22℃。福岡の街はもっと暑いだろう。

f:id:nayutakun:20200524080134j:plain

山頂に到着

f:id:nayutakun:20200524080207j:plain

福岡市街が一望できる

f:id:nayutakun:20200524080240j:plain

うどんとお握りの昼食

f:id:nayutakun:20200524080329j:plain

食後のコーヒー

 昼食の後は、脊振山系の縦走路に入る。背振山のコースは、自衛隊によって笹の上にウッドブリッジをかけてあり、眺めがよく歩きやすい。

f:id:nayutakun:20200524080407j:plain

山頂付近の笹の上を歩くコース

f:id:nayutakun:20200524080527j:plain

 笹の道の次は、福岡管区気象台のレーダーサイトへのサービス道路を歩く。ここも快適な舗装路で、自動車の通行は皆無。今日はついでに気象台のレーダーに立ち寄ってみた。中に入れるわけではないが、周囲は福岡を見渡す素晴らしい眺望。ちょうどここで休憩をとっていた同世代の男性二人組としばらく話して先に歩を進めた。

f:id:nayutakun:20200524080646j:plain

気象台のレーダーサイトへのサービス道路

f:id:nayutakun:20200524080830j:plain

福岡管区気象台レーダー

 気象庁のレーダーから先の尾根の道は、低木に囲まれたクマザサの中の道で、整備状況もよい。とても快適で、いつ歩いても楽しくなってしまう。15:51に椎原峠で小休止。ここで先ほどの二人組の男性と別れる。

f:id:nayutakun:20200524080927j:plain

脊振山系の稜線

f:id:nayutakun:20200524081026j:plain

稜線の山道はとても快適

 20分ほど進んだところにあるのが鬼が鼻岩。50 mほどの切り立った岩で、ロッククライミングで使われているのか、ボルトが何か所かに打ち込まれている。眺めが良い。こういうところに立つと、飛びたくなってしまうが、ぐっとこらえて先に進む。

f:id:nayutakun:20200524081122j:plain

鬼が鼻岩からの眺め

f:id:nayutakun:20200524081224j:plain

福岡の市街地も眼下に見える

 ここからはゴツゴツした岩の山となる。ところどころロープが張ってあり、つかまりながら岩を乗り越えていく。ゴツゴツの岩をいくつか乗り越えたところで、893mの猟師岩山の頂上に到着。16:24となっている。まだ明るいが、そろそろ本日の野営地を探しながら先に進む。

f:id:nayutakun:20200524081342j:plain

 16:50に小爪峠に到着。ここは稜線と福岡の市街地、佐賀に向かう山道の分岐点。ちょうど平らなスペースがあったので、ここにテントを張らせてもらうこととした。

f:id:nayutakun:20200524081435j:plain

 本日の夕食は、白ごはんに豚汁、マグロの缶詰、焼き鳥で、食後にはレモンティーを頂いた。久しぶりに長距離を歩いて、足がつりそうだ。

f:id:nayutakun:20200524081520j:plain

f:id:nayutakun:20200525125213j:plain

背振山系縦走 1日目の行程

 

2020年5月23日 脊振山系縦走 1日目 福岡市早良区脇山~福岡市早良区椎原小爪峠
快晴 気温22/18 距離23.1km 行動時間9:22 平均速度2.61km/h 38707歩