とりあえず、歩くか。晴れた日は星空の下で寝るのもいい。

週末の九州自然歩道のトレッキングや日常の雑感です。英語版のトレッキングログもこちら https://nayutakun.hatenadiary.com/  で公開しています。

2022年7月2日 中国自然歩道56日目(通算197日) 島根県益田市匹見町匹見峡温泉〜奥匹見峡〜益田市匹見町道川 裏はよかったが、表も奥も侮れない

 今回のトレッキングは島根県益田市の秘境匹見峡温泉からの再開。なかなか現地までの交通は大変で、土曜の朝に出発すると、トレッキング開始は正午を優に回ってしまう。

 ということで、今回は金曜の仕事を終えてからダッシュで家に帰り、博多、新山口を経由して津和野に前泊とした。

 津和野で無人の改札口を抜けると、輪行袋を開けて自転車を取り出している男性がいる。自分と同世代の方。ずいぶんと小さそうなので、20インチですかと声を掛けると、14インチですと返ってきた。

袋から出てきたのは小さな自転車

 袋から出てきたフレームを見ると、DAHONという有名メーカー。それにしても小さい。ミニベロという小型自転車でよく見るのは20インチだが、前のギアを大きくしたり、サドルやベダルを交換したりして、かなり走れる14インチのミニベロにカスタマイズしているよう。

愛機DAHONで全国の献血センターをコンプリートした今岡さん

 この自転車で昨日は山口市献血センターに行き、ちょうど全国献血センター行脚を完結したところだという。すごい人がいるものだ。

今岡さんと別れて宿に向かう

 ミニベロ氏と互いの健康を祈って別れた後、駅から歩いて10分ほどの宿に向かう。宿に夕食はついていないため、チェックインを済ませてそそくさと食事に出かける。津和野の夜は早い。選択肢を4つぐらいに絞り込んでから、割烹あおきで、郷土料理のうずま飯定食を頂いた。なんというか、具乗せご飯に出し汁をかけたお茶漬けのようなものがうずま飯。その他には、刺身こんにゃく、淡竹(はちく)、葉わさび、茶碗蒸しと、ヘルシーなラインアップ。

民泊めぐみにお世話になった

市街地をグルリと巡って飲食店に目星を付ける

割烹あおきに決定

うずめ飯定食

 翌朝は4:00に起床。さっとシャワーを浴びてから市街を散歩。3週連続で津和野を歩いているが、整ったきれいな町だ。

 宿のご主人の心のこもった朝食をいただき、津和野駅に向かう。7:55の山口線各駅停車は10名ほどの乗客。

朝からガッツリと

デザートまで用意していただいた

 山口線は定刻通り、8:35に益田に到着。駅前のコンビニで、900mlのポカリスェットと昼食用のパンを購入し、ポットのお湯を詰めさせてもらう。

 益田駅前のロータリーから、9:10発の石見交通バスに乗車。乗客は1人だけ。益田の市街地を抜けると、車窓の風景が素晴らしい。高津川、匹見川の清流に沿った路線で、1人で乗っているのがもったいない。

バスからの風景がいい

 10:20と少し早めに匹見峡温泉に到着し、すぐにYAMAPをONにして行動開始。

 まずは前回と同じく、国道488号線を東に進み、500mほどで左に曲がり、表匹見峡に向かう。ちなみに、EADASのデータはここよりも1つ手前の角を曲がるようになっているが、気にしない。小高い丘を越えて、匹見川を平成橋で渡り、10:48に県道307号線に合流する。

まずは国道488号線を東に

表匹見峡に向かう

匹見の町を下に見ながら

 県道307号線は立派な二車線舗装路。交通量は少なく快適。右手には匹見川の清流がちらりちらりと見える。

県道307号線に合流

匹見発電所

匹見川がチラチラ見える

 11:11に表匹見峡トンネル(2104m)の手前を右折して、旧道に進む。ここからは素晴らしい眺めが連続する。先週の裏匹見峡は、両側が切り立った崖を、清流が切り刻んでいくような、エッジの立ったV字谷だったが、表匹見峡は川の両側に砂地があるような丸みを帯びた谷。ぶっちゃけ、ここにテント張って水遊びしたら最高だろうなというポイントが多数ある。

表匹見峡トンネルの手前から、川沿いの旧道に進む

穏やかに、美しい風景

魚とび

 11:40に通過した屏風岩辺りが最も美しい景色だろうか。ここには川まで降りる踏み跡がついていたので、清流に手をつけてみた。冷たくて心地よい。しばらく岩の上に座って清流を眺める。魚の黒い背が忙しそうに動いている。

屏風岩のポイント

小沙夜淵

お楽の滝

屏風岩

屏風ヶ淵

黒淵

十畳岩と杣の淵

 12:05に淵見橋を通過して、流れは緩やかになる。

亀の洞淵

治郎左衛門淵

 12:30に県道307号線の崎田トンネル(576m)の下を通過して、12:55に県道に復帰した。

崎田トンネルに入る県道をくぐって進む

県道307号線に復帰

 ここからは7kmほどの県道歩き。今日は暑い。情け容赦なく太陽は降り注ぎ、アスファルトからは強烈な照り返しが攻めてくる。

匹見発電所の取水部

 14:25にようやく県道307号線と国道191号線の交わる道川にある道の駅匹見峡に到着した時は、900mlのポカリスェットは空。PETボトル飲料を2本一気飲みした。

道の駅匹見峡

 道の駅匹見峡は塩だった。期待していた食堂はない。物販のほとんどは地産の野菜。冷水やお茶もない。極めつけには、冷房がなかった。温室と化した休憩室で、汗をかきかき、飲料水でパンを流し込む。食欲はあまり出ない。

 14:55に道の駅を出発。国道191号線を東に奥匹見峡に向かう。歩道のある2車線の道路を4kmほど歩き、15:22に奥匹見峡入口の橋に到着。

国道191号線を奥匹見峡に向かう

赤い橋が目印

 舗装路を進んでいくと広い駐車場があり、男性2人が着替えをしている。シャツはビシャビシャ。足元にはヘルメットが転がっている。沢登りですかと尋ねると、コンビで最近始めたばかりだという。今の季節は最高だろうな。2人ともスッキリを絵にしたような顔をしている。

 挨拶をして先に進む。ブナの木が優勢な森を進む。橋を1か所、石伝いに2回川を越える。最後に長い金属製の梯子を上った先が三の滝。落差30mはあるだろう。姿の美しい滝で、滝壺の周囲には冷気が漂う。

奥匹見峡に進む

姫滝

二段滝

夫婦滝

さらに上る

大龍頭

 ここからはまた同じ道を戻る。16:32に駐車場、16:40に奥匹見峡入口に戻り、帰りは国道191号線ではなく、集落の中の道を歩いて17:10に道の駅に戻って行動終了。

道の駅に戻る

 問題は、今日はどこで寝るかだ。

2022年7月2日 中国自然歩道56日目(通算197日) 島根県益田市匹見町匹見峡温泉〜奥匹見峡〜益田市匹見町出合原 晴れ 32/22℃ 行動距離23.0km 行動時間6:50 獲得高度792m 38334歩 行動中飲水量3000ml