ほぼ1か月ぶりの自然歩道トレッキングの再開。本日の中国自然歩道トレッキングは前泊地の益田で5:00に目を覚ました。シャワーを浴びてから、近くのローソンで食料を調達。
朝食用のヨーグルトと昼食用のおにぎりを買ってホテルに戻ると、テレビから山陰地方では局地的に大雨が降っていると聞こえてくる。昨日、福岡を出るときには晴れの予想だったのに。本日の目的地の浜田市には、大雨洪水警報が発令され、JR山陰線の西浜田付近は現在不通です、と。え?そんなこと聞いてないよ。
雨の降る中、やむなくという感じでホテルを出て、益田駅前広場から7:00発の石見交通の新広益線高速バスに乗る。雨に煙る山脈を抜けて、7:30に美都温泉口に到着。雨は小降り。渋々と行動開始。
美都温泉湯元館を経て二川の町中を抜ける。当地には民宿が2軒営業中のよう。
妙蓮寺を過ぎたところで、これでもかというぐらいの雨が降ってきた。たまらず民家の軒先で雨宿り。
雨脚が弱くなったことを見計らって、舗装路をゆっくり上りはじめる。左には県道34号線が見える。8:11に大峠を通過したときには雨具の中は汗ビッショリだった。
8:28にトンネルを抜けてきた県道34号線と合流。県道が板井川大橋をわたってループに進むところを、橋を渡らずに直前で右折して進む。この橋は高度差50mほどの所をR200mほどの派手なループで上ってくる。こんな交通量の少ないところならば、スイッチバック1回で上らせた方がよい気がするのだが。
ループを横目で見ながら、ほどなく双川峡(そうせんきょう)の駐車場に到着。双川峡は落石のために10年ほど閉鎖されていたのだが、2022年4月に遊歩道が再整備されたばかり。しかし、大雨のために川の水はすっかり濁っている。
駐車場でヒルの忌避剤を丹念に足元に噴霧。こんな雨降りの日は、ヒルには注意。滑りやすい石に気をつけながら遊歩道を進み、200mほど進むと見所の養戸(ようど)の滝に到着。落差は18m。水量がものすごく、じっとしているとびしょ濡れになってしまう。滝から轟音とともに流れてくる水は茶色く染まり、こちらにも礫が飛んできそうなほど。先に進もうと思ったが、残念ながらこの先は土砂崩れで行き止まりのよう。立ち止まっているとヒルの格好の餌食になりそうな気もしたので、早々に引き返す。
9:00に県道34号線のループの下で合流し、郷組集落を抜ける。雨は降ったりやんだりを繰り返す。
9:16に県道34号線から左折して、板井川の右岸を進み、御部(おんべ)ダムに向かう。
9:31にダム湖上部の分岐にかかり、ここは左折して大井手橋で板井川を越えてダム湖の西岸に進む。雨で油断したイノシシが慌てて道路から薮に逃げ込む。自動車はまったく通らない。
10:02に御部ダムに到着。ダムを歩いて渡っていると、管理事務所から傘を差した男性が出てきた。歩いてきたのかと聞かれる。このダムは発電、利水の多目的ダムだと教えてもらう。
ダムを通過して県道179号線を左折して下る。ダムから下は本流の三隅川に名前が変わる。川沿いの県道を進み、10:15に上古和(かみこわ)大橋を渡る。古和三尊仏、三隅川発電所を通過する。
11:05に堂の原集落を通過中に、ふたたびものすごい勢いで雨が降り出した。たまらず中古和集会所の軒先を借りて雨宿り。おにぎりを食べながらしばし休憩とした。
10分ほどで雨は弱くなり行動再開。如意寺、下古和集落を通過。10年ほど前に当地を通過したレポートに出てくるコワ温泉は、残念ながら施設の改修のために休業中。
11:44には三隅川に西から流入する矢原川、東から流入する井川川の出合を通過。ここからは県道48号線となる。
このあたりから日が少し差してきた。ひどく蒸し暑い。12:00に西方寺原で自販機を発見。ここで小休止とする。
この先も三隅川に沿って、西方寺、亀谷と進む。三隅川の流れは激しい。ふだんの水量はそれほど多くないようで、川の中でススキが波打っているのが見える。
12:37に用田原で用田橋を渡って、対岸の林道用田原橋線に進む。すぐに左折して田んぼの中を進むと、山手に中国自然歩道の案内板が見える。人家の庭先のような所に進むここは少し迷いどころ。
案内板の横には、紐でしっかりと括り付けられた害獣防止ゲートがある。紐をほどいて、もう一度しっかりと結び直して龍雲寺に向かう山道に進む。本日最初の山道。あまり長くはない。
13:15には龍雲寺に到着した。よく手入れされた美しい庭園を持った寺院だ。ここでは25分ほど小休止。帰り際に自動車で戻ってきたと思われる住職さんと挨拶を交わす。
龍雲寺から引き返して、少し進んだところからが高城山(たかじょうさん)への分岐。このコースは支線扱いのような気もするが、眺めが良さそうなので山頂に向かうことにする。
舗装路を山頂に向かって進む。杉の植林の間から霧が流れてくる。最後の100mほどだけ山道となる。14:11に高城山362m頂上に到着。頂上には三隅城の礎石らしいものが残されている。眺めはよい。
眺めを堪能した後は、同じ道を下って、分岐から北に向かって浄蓮寺峠に進む。高低差のあまりない舗装路を歩き、14:51に浄蓮寺峠に到着。ここで県道304号線に合流。
さてここで考える。峠から県道を西に下れば3kmほどで三隅の市街地に出て、16時のバスに乗ることができる。すでに20km歩いており、ほどよい疲労も感じる。
峠から東に進むと、中国自然歩道は北に進路を変え、5kmほどで大麻山の登山口に出る。そこから西に進めば4kmほどで山陰線の折戸駅に向かうこともできる。まだ午後3時も回っていない。先に進もうと、県道304号線を右折して進んだ。
すぐに県道を離れて、細い舗装路に入る。15:06に芦谷(あしたに)集落を通過して、さらに細い道を上り始める。地図の等高線で想像するよりも、意外とアップダウンがある。舗装はされているが、自動車はほとんど通っていないよう。路面には石や土、落ち葉が積もっている。大きなイノシシが目の目を横切る。
15:45に鞍掛集落を通過して、さらに大きな舗装路に合流。正面には大麻山が見えてきた。16:10には室谷で県道303号線に合流した。
県道を200mほど西に進み、16:15に大麻山登山口に到着。登山口のコンクリートブロックに腰掛けて小休止。地図を見ながらふたたび考えた。ここから県道303号線を3.2km下ればJRの駅がある。1時間かけて下っても、17:34の列車には十分に間に合う。しかし、ここは標高300m。明日の上りは少しきつい。次の大麻山の標高は599m。あと300m上れば頂上だ。距離は1.8kmほど。
結局先に進んでしまった。山道にとりついたら途端に汗が噴き出てきた。水があと300mlほどしかないのが心配だ。1.8kmならば1時間もかからないだろうと思ったのが甘かった。勾配は意外ときつく、時間が過ぎる。1時間ちょうどで大麻神社の社務所にようやくたどり着いた。
社務所の駐車場で、神主さんと思しき方が榊を切りそろえている。お願いして榊を洗っている水道水を頂いた。山水をヤシガラ活性炭で濾過した水だとのこと。美味しかった。
そこから階段を上って17:41に大麻神社に参拝。中国自然歩道には含まれないが、やけくそになって17:52に大麻山(599m)の頂上の展望台に到着した。うっすらと雲がかかっているが、頂上からの展望はよい。足がつり始めた。ヤバイ。
18:00を過ぎた。山陰本線の時間が気になる。本数が極端に少ないのだ。通学時間帯を除けば、だいたい2時間に1本。目標の周布(すふ)駅の出発時間は18:54。残り時間は1時間を切った。駅までの距離は5km強。
大麻山の山頂から社務所まで駆け下り、北の大谷橋に向かう山道を急ぐ。山道は荒れており、かなり厳しい。石がゴロゴロで、倒木はワラワラ。1.8kmほどの山道を過ぎて、大谷橋で舗装路に合流した時点で18:39。残りは3.3km。詰みました。
電波が入ったところで時刻表検索。18:54の次の益田行は20:13。諦めて水路に沿った舗装路をのんびり歩く。だんだん暗くなってきた。
19:09に浜田三隅道路の高架下を通過した時は、太陽が沈む頃だった。木々に覆われた前方後円墳の周布古墳の横を通過して、19:38に周布駅に到着して行動終了。12時間で40kmほどを歩いた。
この後に駅前で自動車にはねられたのだが、それはまた別の機会に。
2022年8月5日 中国自然歩道58日目(通算201日) 島根県益田市美都温泉〜浜田市治和町周布 雨のち曇り 31/26℃ 行動距離39.4km 行動時間12:06 獲得高度1722m 行動中飲水量3000ml 62203歩
往路交通:西新16:13福岡市営地下鉄-博多16:26/16:43新幹線さくら564号-新山口17:17/17:52山口線-益田20:17(前泊)
益田7:00石見交通新広益線高速バス-美都温泉口7:30
復路交通:周布20:13山陰本線-益田20:48