とりあえず、歩くか。晴れた日は星空の下で寝るのもいい。

週末の九州自然歩道のトレッキングや日常の雑感です。英語版のトレッキングログもこちら https://nayutakun.hatenadiary.com/  で公開しています。

2022年4月2日 近畿自然歩道1日目(通算173日) 岡山県備前市八塔寺~兵庫県赤穂郡上郡町上郡 いよいよ近畿自然歩道、とうとう近畿自然歩道

 本日のトレッキングは岡山県備前市の八塔寺からの再開。八塔寺岡山県の東のはずれに位置しており、3kmほど東に進むと兵庫県に入る。兵庫県との県境からは近畿自然歩道の山陽コースの連絡路があるため、今回からタイトルは近畿自然歩道とする。自分の所業ながら、どこまで進むのやらドキドキワクワクハラハラ。誰かに止めて欲しい気持ちすらしてきた。

 八塔寺までは福岡から最速での交通を用いるが、福岡市営地下鉄山陽新幹線山陽本線と乗り継いで、最寄りの、とはいっても20kmほど離れた、吉永駅に到着したのが10:49。

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山陽本線

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吉永駅に到着

 八塔寺が観光地だからか、沿線の人口が多いからか、バスの便数は比較的多い。吉永駅からは11:10の備前バスに乗って、11:40に八塔寺に到着して行動開始。気温は9℃で肌寒い。

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塔寺のバス停に到着

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意外と便数は多い

 まずは県道426号線を東に向かって歩き始める。廃屋をいくつか通り過ぎ、その先はつづら折りの下り道となる。道路脇には石清水が流れており、ひんやりとした空気が流れる。

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県道426号線を東に進む

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廃屋を見ながら進む

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九十九折りの坂を下っていく

 12:00に滝谷集落に出た。ここは明るく開けた集落で、左手には立派な石垣の上にお屋敷が建っている。屋敷内がシジミチョウの繁殖地となっており、立ち入り禁止の札が何か所も掲げてある。集落の中心には筆塚がある。こんな山中の集落に筆塚とはと感心。どなたか学問の指導をした人がいたのか。

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滝谷ではこのお屋敷に目を奪われる

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集落の中心には筆塚

 滝谷集落には中国自然歩道の分岐がある。北から下ってくる中国山地横断ルートが合流する地点で道標が何か所にも現れる。今日はここから東に兵庫県境に向かって進む。あと2.3kmで中国自然歩道も終わりとなる。

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中国自然歩道の道標が建つ

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あと2.3kmで兵庫県

 滝谷集落のほんの少し南から、県道を離れて山中に向かう道に進む。少しだけ荒れているが舗装路。途中で滝谷神社に立ち寄る。

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滝谷からまた山中に進む

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滝谷神社に立ち寄る道だった

 小高い山を越えて、12:24に県道368号線に合流してさらに東に進む。東畑集落の家を眺めながらなだらかな舗装路を進む。12:40に兵庫県との県境に到着。この県境は峠や川ではなく、なだらかな上り坂の途中だった。いきなり、西新宿にようこそと、看板が迎えてくれる。

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県道368号線に合流

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岡山県最後の東畑集落を通過

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兵庫県佐用町に入った

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 県境から3分ほど歩いた峠の路傍に、天空高原と名付けられた休憩所がある。りっぱな石の椅子とテーブルもあるためここで休憩とした。コンロでお湯を沸騰させ、カップ麺に注ぐ。このところ毎回同じ昼食だが、安定して美味しい。

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天空高原と名付けられた休憩所

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 昼食を終えて13:10に行動再開。兵庫県に入っても、岡山県から続く県道368号線の名称は変わっていない。気のせいかもしれないが、岡山県よりも道の手入れがさらに良い。

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兵庫県に入って、こころなしか県道もきれいになる

 柳原池の濃い緑色の水に山が映し出される。池に端を発した秋里川に沿って下る。西新宿の集落の中の八幡神社にお参りする。

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柳原池

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秋里川に沿って進む

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集落の八幡神社に立ち寄る

 さらに県道368号線を進み、12:39に西新宿公民館の角から右折してダート道に進む。西新宿というとビル群を連想してしまい、違和感が強い。さらに、地図を探してみても東新宿がない。気になる集落名だ。

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西新宿!に違和感あり

 落ち葉の積もった山道を登っていると、正面から自転車の男性が下ってきた。挨拶を交わして先に進む。コースには自転車の踏み跡が付いている。よくこんな急坂を下ってきたものだ。

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山道の先から自転車が下ってきた

 ほどなく稜線のなだらかな道に出た。上郡アルプス縦走路の案内も出てきた。ここはなかなかの良コース。上郡アルプスの登山記録はYAMAPでよく目にするが、人気の理由が分かる。心地よい道が続いている。

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稜線の道は快適

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上郡アルプス縦走路

 この先はスイッチバックしながら高度を下げて、車両の轍の着いた林道に出た。また、上りが始まると林道の幅は狭くなる。ところどころの沢には、穴の開いたような木製の古い橋が架けられているが、整備状況は良好。

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こんな橋はご愛敬

 皆坂の集落に出ると、その先は舗装路となる。すぐ先の民家の下手に道標があり、舗装路から右手の山道に進む。あまり人が通っていないような山道を400mほど歩いて14:39に皆坂の滝に到着。残念ながら皆坂の滝は土砂で埋まって跡形もなかった。滝神社も壊れており、ここには立ち寄る必要はなさそう。

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皆坂集落の民家の脇から右折して皆坂の滝に進む

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滝神社に向かう

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滝は土砂に埋まっていた

 皆坂の滝から先の道も荒れているようだが、EADASデータに従って南に進んでみた。倒木が多い道であるが、先行者がテープを付けてくれており、踏み跡も見える。また、ところどころに兵庫県立山崎高等学校森林環境科学科の手作りの道標も設置してある。心がこもっていてありがたい。

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皆坂の滝の先は道が荒れている

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テープが導いてくれる

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高校生の道標も心がこもっている

 倒木を乗り越えて、14:58に無事に舗装路に復帰。舗装路への復帰点にも手書きで案内があったが、皆坂の滝には舗装路を進むルートで十分。あるいは、土砂で埋まった滝を見に行くことはスキップしても良い。

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舗装路に復帰

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高校生な親切なアドバイスもある

 15:00に頑丈な害獣防御柵を通過して石戸集落に入る。皆坂川に沿って進むと、ほどなく大鳥圭介の生家に到着。大鳥圭介京唄子と一緒の漫才の?と思ったら、漫才の方は鳳啓助で、こちらは大鳥圭介。明治時代の医学者・政治家だった。無学を恥じる。記念館は日曜のみ開館で、本日は内部を覗くことはできなかった。

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大鳥圭介記念館

 石戸集落の中を進み、15:18に県道451号線に合流した。このあたりはシカが多く、山の上からこちらをチラチラ覗く姿が見える。

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県道451号線に合流

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法面の上からシカがこちらをジロジロ見ている

 15:30に細念集落を通過。裏山のサクラの美しい妙隆寺にお参りしようと立ち寄るが、門が閉ざされていた。残念。その先の大避(おおざり)神社のコヤスノキを見学。日本ではこの近辺にしか分布していない貴重な植物らしい。トベラ科の常緑の木で絶滅危惧種。天然記念物に指定されている。木本にはからきし弱く、有り難みが分からない。

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妙隆寺は門を閉ざしていた

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大避神社を覗いてみた

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コヤスノキのありがたさは分からない

 ここからは県道451号線を離れて岩木川に沿って進む。倉尾集落、才原集落と進み、頭上を智頭急行の高架が釜ヶ谷トンネルに進入していくところを通過。

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岩木川に沿って進む

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智頭急行の高架下を通過

 高架をくぐったところで、岩木川千種川に合流する。コースは県道451号線となっているが、ここは千種川を見ながら川沿いの護岸の上を進むこととした。水の流れを見ながら気持ちよく歩く。

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千種川

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美しい川の流れ

 16:27に千種川から県道451号線を横切って集落の中に進む。集落の入口近くの須賀神社に立ち寄った後は、井上集落の中の道を進む。

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須賀神社にお参り

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井上集落を通過

 16:52に上郡の市街に出た。県道90号線を左折し、すぐに右に曲がって上郡駅に向かう。ちょうど智頭急行が入線してくるところだった。高架の線路から1両の車両が上郡駅に入線してきた。パラパラと乗客が降りて、ほとんどが山陽本線のホームの方に移動していく。

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智頭急行上郡駅に入線してきた

 17:00に上郡駅に到着して智頭急行の時刻表を見てビックリ。半分ほどがJRの特急の乗り入れなのだ。智頭急行の成り立ちについては調べてみないといけない。

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智頭急行上郡駅

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運行されている列車の半分はJRの特急

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JR上郡駅

 駅から3分ほどの旅館に着いたところで行動終了。荷物を部屋に置き、まずは晩ご飯に向かった。

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上郡のメインストリート

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宿に到着

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晩ご飯はすき焼き

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2022年4月2日 近畿自然歩道1日目(通算173日) 岡山県備前市塔寺兵庫県上郡郡上郡 晴れ 13/2℃ 行動距離17.6km 行動時間5:27 獲得高度468m 31242歩

往路交通: 西新7:38-博多7:51/8:15のぞみ12号-岡山9:57/10:11山陽本線-吉永10:49/11:10-八塔寺11:40