とりあえず、歩くか。晴れた日は星空の下で寝るのもいい。

週末の九州自然歩道のトレッキングや日常の雑感です。英語版のトレッキングログもこちら https://nayutakun.hatenadiary.com/  で公開しています。

中国自然歩道81日目(通算250日) 三朝温泉〜三徳山 日本で最も危険な国宝に

 本日は三朝(みささ)温泉の旅館で5:00に起床した。ラジウム含有量日本一という温泉で朝風呂につかる。ラジウムのせいかどうかはわからないが、気持ちが良い。

旅館の朝ご飯って、美味しいよね

 7:30からたっぷりと朝食を摂って8:00に行動開始。温泉街を通り、三朝温泉の中心の三朝橋を通過し、恋谷(こいたに)橋で三徳(みとく)川を越えて南に進む。

三朝橋を通過。すでに河原湯に1名入湯中。

三朝温泉の東の端の恋谷橋を渡る

 三朝交差点を直進し、県道273号線をクネクネと上る前方に赤いザックの男性が歩いている。中国自然歩道の説明板が立つ山道取り付きで挨拶を交わすと、神戸から遠征中の自然歩道歩きの方だった。自然歩道ウォーカーに巡り会った希有な機会に、お互いに感激を隠せない。10年以上前から自然歩道を歩き、すでに東海自然歩道を丹沢ぐらいまで歩いたベテランだった。

三朝温泉がだんだんと下に

前方に赤いザックの人を発見

県道から山道に曲がる説明板で追いついた

 神戸の男性と自然歩道談義をしながら、道沿いに小さな石仏の立った九十九折りの道を上る。昨日は薮漕ぎで散々な目にあったが、今日の山道は石段が整備されているところもあり、歩きやすい。

今日は一転して快適な山道

よく整備されている

1か所だけ崩落あり

 9:02に山頂の展望台に到着。双眼鏡まで据えつけてあるが、周囲の木々が伸びすぎてしまい、残念ながら眺望はない。鳥取百名山のピークハントに向かうという男性とここで別れ、県道273号線と合流して舗装路を一人進む。

山頂に到着

展望台があるが木々に囲まれている

双眼鏡も据え付けてある

 右手には三朝高原の別荘が点在する。2車線の道路だが、自動車は通らない。9:25にすでに閉鎖している三朝カントリー倶楽部に到着。

県道273号線に復帰

標高300mほどの高原

自動車は通らない

三朝カントリー倶楽部は廃業したようだ

夢の跡

ここに説明板

 ここから県道は一気に細い道となる。緩い下り。天気は曇りで暑くはない。歩きやすい。いいペースで先に進む。

県道273号線のままカントリー倶楽部の先は中央線がなくなる

ゴルフコースの跡地の再利用か

 9:40に西尾集落を通過。本日の目標地の三徳山(みとくさん)が見えてきた。さらに下って、小鹿川を高井治橋で渡る。

西尾集落を通過

本日の目標地点の三徳山が見えてきた

 10:00に高橋集落に着き、県道33号線を左折して北に進む。そのまま真っ直ぐの舗装路を進み、吉田集落を通過。10:30に予定よりも2時間早く片柴集落を通過した。

三朝高原を下った高橋集落で小鹿川を越える

高橋で県道21号線に突き当たり、左折して北に進む

県道21号線を吉田、片柴とほぼ真っ直ぐ進む

 片柴からは県道21号線を右折して東に進む。2km先の坂本集落を20分で通過。馬場橋、合谷、不動橋と通過して、11:35に三徳山正面階段に到着した。

片柴交差点にはコンビニあり

片柴から右折して県道21号線を東に進むと三徳山の標識が出てくる

県道の幅の広い中央線は融雪装置が仕込まれている

三徳山の鳥居をくぐり抜け

不老長寿の水を横目に見ながら進む

不動橋で三徳山はもうすぐ

三徳山正面階段に到着

 参拝者受付に進むと、2人以上でないと投入堂には登れないと足止めされた。これは事前情報で織り込み済み。すぐ後ろのいかにも善良そうな風貌のお二人に声をかけると、一緒に登ってくれるとのこと。受付でちょっと嫌味を言われたが無事に通過。

階段を進んで受付に向かう

参拝者受付案内所で足止めを食らう

 三佛寺本堂にお参りしてから、登山参拝事務所で登山届の受付を済ませる。袈裟をかけて登山開始。同行してくれた二人は、東京から鳥取砂丘投入堂(なげいれどう)のために来たというご夫婦。いい人たちに巡り合って本当によかった。

三佛寺本堂にお参り

登山参拝事務所

ここから登山道に向かう

 3人で滑りやすい道をゆっくりと登る。かずら坂、くさり坂をクリアして、まずは木材の足場が高く聳える文殊堂に到着。靴を脱いで外周を一回り。いい景色。

かずら坂

くさり坂は上りと下りが別ルート

くさり坂を登ると文殊堂が頭の上に

靴を脱いで外縁を一周

落ちたら怪我ですむかどうか

 さらに岩を越えると地蔵堂。ここも靴を脱いで時計回りに1周。もう、高いところを歩いているという気分がしなくなってきた。

地蔵堂には時計回りとの指示あり

やっぱり高い

三佛寺はこんなに小さい

 そのすぐ上には鐘楼堂。合掌して、一撞きしてから先に進むようにインストラクションが書いてある。思い切り一撞きしてみた。余韻がお腹に響く。この鐘はどう見ても100kgはある。誰がどうやって運んだんだ?

鐘楼堂

 馬の背、牛の背を越えて、観音堂。ここも十分に投げ入れ感がある。観音堂は裏手の真っ暗な胎内くぐりを通過。躓きそうで怖い。

馬の背を越える

観音堂

 12:55に元結掛堂の先を右に曲がると、目の前に投入堂が現れた。圧巻。いつもいつも感じることだが、重機のない時代にこんな建物をどうやって作ったの?しばしポカンと口を開けたままの自分に気が付く。ここで同行してくれたお二人と記念写真。

元結掛堂

投入堂

どうやって建てたの?

 ここからはのんびりと来た道を下る。日曜日は大渋滞かと恐れていたが、昼を過ぎても意外と空いている。前々日までの雨で、苔むした石は滑りやすい。転ばないようにゆっくりと。

下りこそ慎重に進む

登山口からすぐの宿入橋

 下まで降りてきたところで、ブナの森から流れる清水で顔を洗う。冷たくて気持ちが良い。

橋の下の清流で顔を洗うと気持ちいい

 受付でお二人に挨拶をして別れた。いい人たちだった。何もお礼をしなくて申し訳なかった。この人たちはきっと周りの人たちをいつも幸せにしているんだろうなと思いながら階段を下り、13:45に三徳山バス停で行動終了。本当に幸せな1日だった。

三佛寺前の沙羅双樹の木

三徳山バス停から帰途につく

倉吉駅に到着

倉吉からはスーパーはくとで上郡経由で博多に帰る

2023年6月25日 中国自然歩道81日目(通算250日) 鳥取県東伯郡三朝町三朝温泉三徳山 曇り 27/17℃ 行動距離15.6km 行動時間5:46 獲得高度945m 25727歩 行動中飲水量500ml