年に数回、大阪への出張があるが、大阪での朝のジョギングコースはもちろん大阪城だ。大阪城はスケールが大きく、見所の多い、楽しいコースがある。
お気に入りのコースは、外堀をグルッと一周するコース。天満橋の方から上町筋に折れると、しばらくして大阪城のお堀が見えてくる。皇居のお濠よりもスケールが大きい。
西外堀を左に、大阪府庁を右に見ながら走る。さらに進むと、右手にはNHKの建物が見えてくる。
大手門を過ぎ、お堀が左に折れるところからは南外堀になる。何度見ても広いお堀だ。右手に教育塔が見える。教育塔とは不思議な響きの建造物なので、由来を調べてみた。この塔は、1934年の室戸台風の際に、殉職した教員や死亡した児童が多数出たため、1936年に二度と同じような災害が起きないよう祈願して建てられたものとのこと。
南外堀の東の端まで走ると一番櫓が見える。
一番櫓の正面から階段を下ると、市民の森に出る。左には東外堀。東外堀の走路は桜に囲まれた心地よいコース。11月の今は、桜の葉も赤く染まって、コースに彩りを添えてくれている。
さらに進むと、右に大阪城ホールが見えてくる。近代的なドーム状のホールであるが、高さを控え、周囲を石垣で囲むなど、景観を損なわないような配慮を施している。
いつもならば、ここからは北外堀に移り、京橋口から大阪城公園を出て、天満橋方面に向かってホテルに戻る。大阪城部分のコースの距離がおよそ5kmとなる。
大阪城のジョギングコースは、そのほかのバリエーションを楽しむこともできる。例えば、大手門から、大手見附石を眺めながら西の丸に入るコースをとることもできる。
さらに、桜門をくぐって、蛸石の巨石を見ながら本丸に入ることもできる。
本丸では天守閣を眺めながらラジオ体操もできる。
天守閣をぐるりと眺めて、再び桜門から出て、雁木坂を下り、右手に梅林、左手に内堀を見ながら、極楽橋、京橋口に戻る。少しショートカットになり、4kmぐらいとなる。
あるいは、本丸から、天守閣の裏手に回り、山里丸に階段を降りて、極楽橋を渡る手もある。
極楽橋からは、金色に塗られた御座船を眺めながら内堀沿いに走り、京橋口から戻ることもできる。
これは最も短く、3kmぐらいとなる。時間やその日の体調に合わせてコースを選択できるのも、大阪城コースの特徴だ。
大阪城はさまざまな植栽があり、どの季節でも植物を楽しむことができる。また、コース中の巨石は驚異的。重機のない400年前に、どうやってこんな大きな石を遠くから運んだのか、何度見ても感心してしまう。太閤の威光の大きさを感じるのが、大阪城を飾る巨石や見事なアーチを描くお堀である。