とりあえず、歩くか。晴れた日は星空の下で寝るのもいい。

週末の九州自然歩道のトレッキングや日常の雑感です。英語版のトレッキングログもこちら https://nayutakun.hatenadiary.com/  で公開しています。

福岡マラソン 今年も走ってしまった

 今年の福岡マラソンについて、正直に白状しよう。4月に1次の抽選が外れた時に、今年は当選しなくてもいいかなと思っていた。みんなには、今年も応募したんだけど、2年連続は当たらないものだねと、さも残念そうに言えばいいかと思っていた。しかし、これも神様の差配の一つか、余計なことに追加の抽選で当たってしまった。仕方がない、走るとするか、という気分で出場した今年の福岡マラソンであった。

 今年で6回目を迎えた福岡マラソン。第1回、第2回は出張のため応募せず。第3回は当選して出場。第4回は出張のため応募せず。第5回は当選して出場し、今年は応募したものの、落選するつもりだった。結果は、追加の抽選で当選。当選確率は5倍程度ということなので、かなり引きがいいほうだ。抽選に外れた人には申し訳ない。

 2019年11月10日の日曜日。スタート地点は福岡の繁華街の中心地天神。荷物預かりの締め切りが7:45、ゲートインの締め切りは7:55。地下鉄の天神南駅に7:15に到着するように地下鉄に乗った。天神南駅に着いた時には、駅のコンコースにはランニングパンツの人がうろうろしていた。7:30に荷物を所定のプラスティック袋に入れて、係員に預けた。気分がぐっと盛り上がってくる。

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地下鉄のコンコースでランニングシューズにICタグを装着

 荷物を預けた後は、指定のゲートGに並ぶ。すでに前も後ろもずーっとランナーばかり。スタートラインに着くたびに思うが、ここの道路を封鎖してマラソンに使うというのはすごいことだ。普段は渋滞しているこの道路を走ることができるということにまず感謝。

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ボランティアさんに荷物を預け、トラックに積み込む

 8時になり、市長の挨拶や来賓の挨拶みたいなものが遠くから聞こえるが、先頭から1万人ぐらい後方のここまでは到底声が届かない。風が体温を奪っていく。早くスタートさせてくれよという気分になる。

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天神の西鉄駅前の大通りがスタートグリッド

 スタートのホーンが8:20に鳴り響いた。しかし、後方のゲートGの区画はなかなか進まない。1分ほど経って、ようやく前の人たちがゆっくりと動き始める。スタートラインを通過したのは8:25ぐらい。ゆっくりとしたペースでレースが始まった。気持ちを落ち着かせるために、iPhoneの音楽をBluetoothのイヤホンに飛ばして聞きながら走り始めた。

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スタートライン通過

 天神を北に向けて出発し、那の津通りを左折。沿道では多くの人が声援を送ってくれる。本物のレースに出ている気分がしてうれしくなる。しかし、前半はなるべく飛ばさないように、1km6分のペースで、できるだけゆっくり走り始める。

 那の津通りを西に進み、ヤフオクドーム前を通過。片側3車線の道路を封鎖して道路の真ん中を走るのは気持ちがいい。沿道からは多くの人が声援をかけてくれる。まだまだ余裕があるので、ハイタッチを交わしたりして余裕を見せる。

 12kmから15kmは、元寇防塁の残る生の松原を抜け、右手に博多湾を望む美しいコース。毎年、この地点ではヨットやシーカヤックから声援を送ってくれる。

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今宿長垂海岸で声援を送ってくれるシーカヤック

 ここから先はいったん内陸部に入る。今宿の街並みを抜け、九州大学のキャンパスに向かう道。ここの給水所では甘いミカンが提供されている。両手にミカンを持って食べながら走る。

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給水所で提供される早生ミカン 甘い!

 長い直線の先に折り返し地点が見える。緩い上り坂でスピードが出なくなってきている。このあたりではすでに歩き始めている人も多い。しかし、ここは意地を見せて歩かずに走り続ける。

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この人はランナーではなく、ただの応援

 28km地点で再び海沿いの道路に出てからは、しばらく右手に海を見ながら走ることができる。左手に宇宙船のようなクリニックが見える。ここは建築家の葉祥栄が設計した小児科のクリニック。まさに空に飛び立とうとするUFO。ここが30km地点。そろそろふくらはぎがあやしくピクピクし始めた。

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糸島のUFO病院 建築家の葉祥栄さんの設計

 32km地点から峠に向かっての登り。沿道の応援がうれしい。峠を越えるとサロンパスのブースがあり、ふくらはぎにしっかりスプレーした。効く!

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サロンパスって効くんです

 この先は福岡マラソンで最も美しい二見ケ浦の海岸線に出る。ここは日本の渚百選、日本の夕陽百選に選出された海岸。あと7km。

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二見ケ浦の夫婦岩

 ここから先は、周囲の人たちも、そして自分もゾンビのような走り方になっている。かろうじて止まらない程度。膝が痛い。ようやく40km地点を通過。この標識を見るたび、バッキンガム宮殿でゴール場面を見たいと言ったとされるエリザベス女王を恨めしく思う。

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40km地点。近代オリンピックのマラソンは当初40kmとする予定だったのが、エリザベス女王の一言で2.195km伸びたとか

 最後はフラフラになりながらも、沿道の声援に背を押され、というか見栄を張って最後の力を振り絞ってゴールイン。タイムは昨年よりも10分以上遅い5時間37分。完走できたことを良しとするか。神様は今年も試練をくださったが、楽しめた福岡マラソンだった。

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ゴール!