とりあえず、歩くか。晴れた日は星空の下で寝るのもいい。

週末の九州自然歩道のトレッキングや日常の雑感です。英語版のトレッキングログもこちら https://nayutakun.hatenadiary.com/  で公開しています。

草月流 自由にのびのびと

 月に1回、生け花のお稽古に行っている。お稽古の場所は、福岡市中央区にある松風園。かつて福岡にあった百貨店の福岡玉屋の創業者の田中丸善八氏の邸宅「松風荘」の跡地に作られた公園で、当時の日本庭園や茶室がそのまま活かされた贅沢な施設だ。花を活けるのも楽しいが、よく手入れされた日本庭園を見に行くだけでも十分に価値がある。

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福岡市中央区にある松風園

 ここにお稽古に行きはじめたのは2年ほど前から。もともと植物が好きで、大学1年生のときには、下宿の周囲の野草の標本を作ったこともある。活け花は、母親が習っていた先生のところで、帰省のたびに習いに行っていた。松月堂古流だった。その後、福岡に引っ越してからはしばらくご無沙汰だった。

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草月流のいけばな教室 毎回10名程度の生徒さんが集まる 12月は正月花がテーマで、松、赤目柳、千両、行李柳(着色)、シンビジウム、水引を花材として使用

 現在、お稽古をつけてくれているのは草月流の先生。あまり型にはめずに、のびのびとさせてくれるいい先生だ。草月流には、花型法という「真・副・控」を基本とする空間バランスの構図の基本があるが、比較的自由な流派だ。非対称な緊張感を与えること、空間の余白を生かすこと、粗な部分と密な部分を用いて立体的な造形を考慮することなどを教えてもらう。

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松風園の茶室の控えの間に飾ってあった作品

 また、剣山を使わずに活けた花を留める方法や、花器から大きく張り出させる枝を倒れないよう留める技術なども教えてもらう。その後は、自由花といって、ほとんどルールなしで自分の好きなように創作するわけだが、なかなか奥が深い。

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今回の私の作品 先生の直しが入ってようやくこのぐらい

 この2年ほど草月流を習ってみて、自分の力量を客観的にみてみると、一言でいって凡庸。同時期に習い始めた方でも、センスの良い方にはとてもかなわない。

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同時期に入門した方(男性)の作品 センスの良さが光る

 また、長年、草月流を習われて、免状をとられて、頻繁に展覧会に出されているような方は、やはりハッとさせられる作品を活けている。

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免状を持たれたベテラン(女性)の作品 どうあがいてもこういう風に活けるアイディアは湧いてこない

 毎回、同じ花材を使って、10名程度の生徒が活けるわけだが、凡庸な私の作品は、誰が見ても私の作品だと分かるよう。先生からは、「これだけ毎回凡庸な作品が作れるのも一つの才能かも」と慰められるが、悲しいことにまさに正鵠を射ている。