とりあえず、歩くか。晴れた日は星空の下で寝るのもいい。

週末の九州自然歩道のトレッキングや日常の雑感です。英語版のトレッキングログもこちら https://nayutakun.hatenadiary.com/  で公開しています。

日食 楽しみにしていたんだよー

 日食とは、月が太陽の前を横切るために、月によって太陽が隠される現象。あ、そう、とか言われそうな気もするが、これは地球に住んでいるわれわれの特権。月が太陽を隠すのにちょうどよい大きさであることと、地球からの公転半径がほどよいことがまずはポイント。それから、もう一つのポイントは地球を中心に考えた際の月の移動面(白道)が太陽の移動面(黄道:地球が太陽の周りを公転するするために太陽が位置を変えるが、公転軌道に対して地軸は23.4度傾いているため、1年を通して太陽の高度が上がったり下がったりして見える)に対して約5度傾いていること。これによって、毎月、新月(これを朔という)のたびに日食が起こるわけではなく、白道黄道が交差する時に新月にならないと日食が観察できない。だから毎月、日食、というか地球と太陽との間を月が通過する事象は月の公転によって起きてはいるが、月によって作られる影が地球の外側でないと観察できない位置に形成される場合のほうが多いため、毎月、日食が観察できるわけではない。だから、日食はめったに経験できない、地球上に住んでいるわれわれにしか観察できない貴重な機会となるため、ワクワクしてしまうのだ。

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 もし火星に住んでいたら、フォボスダイモスという月が2つもあるくせに、小さすぎて日食はこんな感じにしか見えない。日食というより太陽面通過という程度。しかも、フォボスの公転周期は7時間39分と早いため、ヒューンと通り過ぎてしまう感じだろう。

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 地球と月、火星とその衛星のフォボスダイモス、それから太陽との関係は図のようになる。それぞれのパラメータは次のとおり。

  フォボス 公転周期は7時間39分、半径11.1km、平均公転半径9376km
  ダイモス 公転周期30時間17分、半径6.2km、平均公転半径23458km
  火星 公転周期 686.98日、赤道面直径6794.4km、平均公転半径227936640km
  太陽 半径 695510km
  月 公転周期27日7時間 赤道面直径3475.8km 平均公転半径34400km
  地球 公転周期365.25日 赤道面直径12756.274km 平均公転半径149597870.7km

 図を見てもらったら、地球と月の大きさ、距離がいい関係なことがわかるだろう。(それぞれの半径は縮小したが、地球と火星と月を含めた衛星の比はなるべく正確に再現。地球と火星の公転半径、月と衛星の交点半径の比もなるべく正確に再現した。)

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 まあ、そんなこんなで、日本国内で太陽がすっぽりと月に隠されてしまう皆既日食または金環日食が見られるのはほんの数えるほどしかない。私が生まれてからは、

 1963年7月21日 網走 食分1.003 皆既日食
 1987年9月23日 那覇 食分0.971 金環日食
 2009年7月22日 トカラ列島 食分1.038 皆既日食
 2012年5月21日 東京 食分0.969 金環日食

の4回のみ。しかも、皆既日食金環日食が観察される地域はごく狭く、その時間にそこにいて、かつ天気が良くないとダメなのだ。

 ということで、2019年12月26日。この日は福岡では食分0.345の部分日食が観察されるはずであった。満を持して、太陽観察専用の3倍のオペラグラスを購入した。

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この日のために購入したSolar Opera

 食の始めは14時14分。食の最大は15時25分。食の終わりは16時28分。しかししかし、無情にもこの日太陽は雲間から顔をのぞかせることはなく、しかも食の最大を迎える15時10分頃からは雨まで降り出してしまった。くやしー。

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このあたりの空で日食が観察されるはずだった

 今後、日本国内で部分日食まで含めた日食が観察されるのは次の日程。皆既日食が見られるのは2035年9月2日の長野でのみ。死ぬまでに一度でいいから、皆既日食を体験してみたいものだ。2050年以降の日食は、自分はたぶん見られることはないような気がするから記載していない。

 2020年6月21日 福岡では食分0.618 台湾では金環日食
 2023年4月20日 那覇 0.149
 2030年6月1日 福岡では食分0.660 札幌では0.959金環日食
 2031年5月21日 那覇 0.158
 2032年11月3日 福岡 0.501
 2035年9月2日 福岡 0.863 東京0.993 長野1.009 皆既日食
 2041年10月25日 福岡 0.834 金沢 0.945 金環日食
 2042年4月20日 福岡 0.751
 2042年10月14日 那覇 0.163
 2046年2月6日 福岡 0.185 日出帯食
 2047年1月26日 福岡 0.655
 2049年11月25日 福岡 0.171