先日、友人からお菓子を頂いた。福岡市の南にある春日市に本店を置く和菓子店 富貴(ふうき)の博多カステラというお菓子である。グルメと目される彼がかねてから美味しいと評していたもので、試してみたかったが、このところは山にばかり行っていたために試食を果たせていなかった食べ物である。
直径60mmほどの円形の菓子で、表面はいわゆる長崎カステラよりは硬く、佐賀県のソウルスイーツの丸ぼうろのような感触である。基底面には砂糖の結晶が貼付してあり、丸ぼうろとの違いを主張しているようだ。
一口囓ってみると、長崎カステラよりは含水量が少ないものの、丸ぼうろよりはしっとり感があり、パサつきのない食感。鶏卵、蜂蜜、バターの味を舌に感じ、味わいは豊か。材料の良さがよく分かる、無駄な技巧を凝らしていない直球勝負のお菓子だということがよく分かった。真面目に美味く、食べやすくて、これはいいお菓子だ。こういうMyお菓子を持っている彼の舌は信頼できるなと、再確認できた。
ついでに、富貴の博多カステラ、長崎カステラ、佐賀の丸ぼうろの材料を確認してみた。博多カステラの材料は砂糖、小麦粉、卵、バター、蜂蜜、脱脂粉乳、ブドウ糖を主たるものとする。長崎カステラの一般的な材料は、砂糖、小麦粉、卵、水飴、ザラメ。佐賀の丸ぼうろは、小麦粉、砂糖、卵、蜂蜜に加え、各店舗によって菱の実、海苔、みりんなど、趣向を凝らしている。3者の基本的な材料はほぼ一緒。長崎カステラのしっとり感は、水飴の使用によって作られているようだ。
私は、死ぬ前に食べたい30品のリストを作り、さらに美味しいものを見つけるたびにリストを更新しているが、スイーツはこの中には含まれていない。死ぬ前に食べたいスイーツのリストを作るのを失念していたなと反省した次第である。