本日の中国自然歩道トレッキングは、山口県周南市鹿野からの再開。珍しく昨日の土曜日に仕事を入れてしまったため、本日の日曜日のみで完結させなければならない日帰りの旅。ちょっと距離が長くなりそう。
博多から7:15発の山陽新幹線のぞみ6号に乗車して、7:59に徳山に到着。駅前のコンビニで食糧と飲料水を調達してから防長バスに1時間揺られる。9:32に鹿野に到着して行動開始。
前回離脱した周南市鹿野総合支所前から中国自然歩道を歩き始める。まずは県道12号線鹿野古賀線の舗装路を進む。交通量は少ない。錦川の支流の渋川に沿って上流に進む。
山口県に入ってから、赤い瓦の家が多い。渋川集落もすべて赤い家。それが山間の集落にいいアクセントの色合いとなっている。トラクターのおじいさんらしき人が、ひざに女の子を乗せて運転している。長閑だ。
10:50に五万堂赤滝口から県道を右折して林道五万堂線に進む。渓流に沿った舗装路。ログキャビンで薪割りをしている男性がいた。うらやましい。
11:15に林道は終点となり、渓流沿いに設置された木道となる。手をかけた道だが、かなり古い。板を踏み抜きそうで心配。
さいわい木道を壊すこともなく、11:37に赤滝への分岐に到着して小休止。それから、荷物をデポして赤滝まで200mという標識に従って10分ほど登ったが、滝は木々に阻まれて見えなかった。滝を諦めて長野山方向に20m先進んだ赤い橋の上が、なんと赤滝の絶好のビューポイントだった。あの標識は何のためにあったのだろう。
赤滝からは南に向かって杉の植林された斜面を水平に300mほど進む。次いで左折して、急な木製階段で稜線に向かって標高差200mほどを直登。急な山道ではあるが、階段がしっかりと整備されているため、気持ちよく歩くことができる。
12:34に稜線に到着。標高は950mを越え、目標の長野山と100mほどしか変わらない。長野山と馬糞ヶ岳との分岐となっている。それにしても、馬糞ヶ岳とはあまりに可哀想な名前だ。由来はその形からのようだが、稜線の向こうの山は馬糞のようには見えない。
稜線は緩やかなアップダウンの笹に囲まれた快適な道。笹は幅広く刈ってあり、多くの人の手で大切に手入れされているのが分かる。
13:04に長野山(1015m)に到着。視界は開けているが、今日はどんよりと曇っていて、あまり遠方まで視程がない。頂上付近は緑地として整備されており、キャンプ場もある。
山頂すぐ下の天空のカフェに立ち寄り、昼食とした。長野山ランチというカフェお勧めのメニューを頼んでみたが、野菜中心で、味付けもよく美味しかった。徳山で購入した食料の出番はなくなった。
ランチでお腹いっぱいになったあとは、お茶を飲んですぐに行動再開。今日は35kmほどを9時間ぐらいで歩く行程。錦町からの鉄道便は20:20が最終なので、休んでいる暇はない。長野山から北には舗装路が整備されている。舗装路を走るように下る。14:11に木谷峡への分岐に到り、右に曲がる。
北に橋に向けて曲がった後は、自動車はほとんど通らない。周囲の山には広葉樹が多く、紅葉、黄葉が美しい。
14:49に小西集落を通過。集落の直前の橋を越えてからは、道は渓流に沿って下っていく。木谷峡に入ったようだ。小さな滝と紅葉のコントラストが美しい。全国的にはほとんど知られていないような渓谷だと思うが、素晴らしく美しい。人もまったくおらず、存分に美しい光景を独り占め。日本にはまだまだ美しいところがあるものだ。
15:24に鹿落ちの滝に到着。平家の落人に追われた鹿が落ちたほど急な滝という言い伝えのある、木谷峡で最も大きく豪快な滝という触れ込みだが、滝は木々に隠れてしまってよく見えない。水量もそれほどでもない。ややガッカリ。
この後も美しい渓谷を楽しみながら歩く。自動車で紅葉を見に来ている人がいるようで、ときおり軽トラ以外の車も通りかかる。しかし、この道は歩かないと渓流が見えない。もったいないことだ。
長野山を過ぎてからは下りのみ。しかもすべて舗装路。16:10に三の瀬集落を通過。中国自然歩道は本来ここから左岸の旧道に進むのだが、この先はダム湖に水没する予定地のようで通行止めとなっている。やむなく場違いなほどきれいに舗装された道をさらに進む。木谷川はずいぶん下に見えてきた。
16:21に国道434号線に突き当たり、錦町に向かって左折する。途端に交通量が増える。トンネルの前で旧道が直下を走っているので、下りるところがないか探したが、登攀技術の要りそうなところだったので断念。トンネルに進む。自動車の音が耐えられないほどうるさい。
トンネルの先からは左折して中国自然歩道に復帰。16:35に尾川集落を通過。次いで、16:55に錦町の中心地の広瀬のメインストリートに入る。メインストリートとはいっても、開いている店はほとんどない。本日の当地の日没時刻は17:05。ずいぶんと日が短くなったものだ。町で暮らしていると日没の時間など気にしたことがないが、山では重要。自然が自分に近づいてくる。
17:15に錦川鉄道の錦町駅に到着して行動終了。駅には鉄分の多そうな男子が数名集まっている。ここは幻の岩日北線の起点だったなと、いつか読んだ宮脇俊三さんの空想の時刻表の本を思い出す。次回は日没前にこの鉄道に乗ろうと思いながら、福岡への帰途についた。
2021年11月21日 中国自然歩道10日目 山口県周南市鹿野〜岩国市錦町 曇り 18/7℃ 行動距離28.6km 行動時間 7:41 46254歩 獲得高度1430m