とりあえず、歩くか。晴れた日は星空の下で寝るのもいい。

週末の九州自然歩道のトレッキングや日常の雑感です。英語版のトレッキングログもこちら https://nayutakun.hatenadiary.com/  で公開しています。

2022年9月11日 中国自然歩道65日目(通算208日) 島根県大田市温泉津~大田市石見銀山 さすがに世界遺産

 本日は大田市のホテルで5:00に起床。シャワーを浴びて6:00に出発。大田市駅までの途中のコンビニで朝食のおにぎりと飲料水を購入。大田市駅から6:39の山陰本線に乗車して7:07に温泉津に到着。すぐに行動開始。

山陰線で温泉津に到着

すぐに行動開始

 昨日も通過した温泉津港、温泉津温泉街を見学しながら進む。銀山街道への曲がり口を探すが見つからない。うろうろしていると、散歩途中の地元の男性から、「銀を運んどった小さな道はこっち」と駐車場の裏手の細い路地を教えてもらう。

温泉津温泉街は風情がある

下駄職人をしながら鉋屑に信心を書いたという浅原才一は温泉津の出身

この道が銀山街道に続く

 路地を上った先には、やきもの館の立派な登り窯が2基、道路脇に設置してあった。

立派な登り窯

 7:49に中国自然歩道の標識とともに銀山街道の標識。ここから2車線の舗装路を右折して進む。このあたりには窯元が多い。途中でEADASの表示に従って旧道に入ったが行き止まり。やむなく階段を降りて舗装路に復帰した。しばらくすると道路の右手に旧道の出口がある。不思議だが、ここが迷いどころ。2車線の舗装路は右にカーブを描いて下っていくが、銀山街道は左の細い舗装路に進む。ここは標識が微妙な位置にあり、迷いやすい。

ここから左に折れる

道標が90°ずれているので少し分かりにくい

 8:11から未舗装の銀山街道に進む。ここは足元が悪く、飛翔昆虫も多いのでまずはDEETを丹念に露出皮膚に噴霧する。昨日の雨のせいか、滑りやすい。蚊も多数襲撃してくるが、DEETのおかげで被害は軽微。このあたりの銀山街道は、道は泥濘んではいるものの、幅は広く、踏み跡は確か。やはり数百年もの間、銀やその他の物資の輸送で踏まれただけのことはある。

道はぬかるんでいた

整備状態はよく、歴史を感じる

中国自然歩道とともに石見銀山街道の道標も掲げられている

 8:24に草の伸びた狭い舗装路に合流。ここを左折して8:29に瀧光寺に到着。犬に吠えられながらお参りしていると、住職と思われる男性が出てきた。「銀山はこちらですよ、道中気をつけて」とやさしく送り出してくれる。

ほどなく舗装路に合流

オミナエシオミナエシ科)は秋の七草の一つ

瀧光寺

瀧光寺の先が少し分かりにくい

 この先は再び未舗装の山道となる。整備状況は良好。8:56に県道201号線に合流して東に進む。郷集落を進むと、正面に矢滝城山が聳えてきた。ここは銀山の守りとして城が築かれ、大内氏、尼子氏、毛利氏らが血を流した場所。矢滝城山の傾斜は厳しい。

未舗装の街道になる

県道201号線に合流

正面に石見銀山を守る砦のあった矢滝城山

 9:22に西田集落の瑞泉寺にお参り。参道の脇にヨズクハデという様式の稲のハザ掛けがある。この独特なハザ掛けは、昨日、高野山寺の住職さんから教わっていた。4本足のハザ掛けで、強風にも倒れにくい工夫だとか。ハザ掛けを見ながら小休止。朝食のおにぎりを頂く。

銀山への往来で賑わった西田集落

瑞泉寺に立ち寄る

西田地区に独特なヨズクハデ

高野寺の住職さんから是非見て欲しいと言われた

 9:45に行動再開。西田集落を抜けると七曲がりの急登が始まる。矢滝城山が正面に聳える。10:02に五老橋を過ぎると、県道201号線から山道に進む。

急坂が始まる

五老橋からは県道を離れて山道に進む

 ここからは降路坂と呼ばれる戦国時代に攻防が行われた急坂。勾配はきつい。整備状況はよいが、急登のためところどころ山道は痛んでいる。汗が噴き出てきた。

階段が付けてあるが、それでもきつい

 10:45に峠を越える。その先には眺望のよいところがあり、日本海まで見渡すことができる。下り坂も急。滑らないように気をつけながら進む。途中で3カ所ほどの徒渉があるが、ほとんど靴を濡らさずに石伝いに進むことができた。

峠にはベンチ

峠の先では日本海まで視界が広がる

下りも急

わずかな徒渉か所あり

 11:22に坂根口番所跡を通過。ここから舗装路となる。左右を山に囲まれた深い谷で、ここから逃げ出すことはできなさそう。11:30に一般公開されている銀鉱山の坑道である龍源寺間歩(まぶ)に到着。入場料を支払って中に進む。

番所を越えた先は、かつて柵に囲まれていたという

 坑道の中は13℃。涼しくて心地よい。長さは274m。ほぼ水平な坑道から、横に向かって狭く掘り進んだ跡がある。閉所が苦手な自分はとてもこんな仕事はできそうもない。

龍源寺間歩は坑道が一般公開されている

 龍源寺間歩の出口は入口からずいぶん離れている。そのまま見所を歩き、佐毘売山(さひめやま)神社に参拝。銀山川に沿って進み、新切間歩、清水寺(せいすいじ)と見学する。

佐毘売山神社

銀山町年寄山組頭高橋家跡

福神山間歩

新切間歩

清水寺

 その先の清水谷製錬所跡の看板で、寄り道しようか迷う。かなりの上りのようで、行ってみてたいしたことがなかったらダメージが大きくなりそうだ。ちょうど自転車で下ってきた男性に尋ねてみると、よかったですよと写真を見せてもらう。これをみて迷わず進んでみた。かなりの規模の精錬所で、保存状態もよい。行ってみてよかった。

この標識を見て行こうか迷った

清水谷製錬所跡

 ここからは川沿いの道を離れて、安養寺、豊栄神社と見学しつつ、12:56に銀山橋に到着。

安養寺

豊栄神社

 この先は古い町並みの保存された通りを歩く。通りの菓子舗をチラリと覗いたら目が合ってしまった。さっそく試食品を渡され、冷たいお茶を頂いたら買わないわけには行かない。名物だという「げたのは」という焼き菓子と飴を購入。

銀山橋から先は古い大森の町並みが残されている

 岩山の上にある観世音寺にお参りして、大森の町並みを眺める。石州瓦の赤い色が美しい。13:42に町並みの尽きる大森代官所跡に到着して昼食とした。

岩の上の観世音寺

観世音寺から町並みを眺める

代官所で町並みは尽きる

ここで昼食

 14:10に行動を再開し、来た道の銀山川の対岸の道を歩いて南東に進む。途中で舗装路から山道に進み、最後に急登の階段を上って14:47に石見銀山世界遺産センターに到着して行動終了。高速バスで帰途についた。

羅漢寺

世界遺産センターへの徒歩道

最後に急坂

2022年9月11日 中国自然歩道65日目(通算208日) 島根県大田市温泉津~大田市大森町石見銀山 曇り 28/23℃ 行動距離19.9km 行動時間7:371 獲得高度913m 33886歩 行動中飲水量1500ml

復路交通:世界遺産センター16:27高速バス石見銀山号-広島19:07/19:48新幹線さくら569号-博多20:55