とりあえず、歩くか。晴れた日は星空の下で寝るのもいい。

週末の九州自然歩道のトレッキングや日常の雑感です。英語版のトレッキングログもこちら https://nayutakun.hatenadiary.com/  で公開しています。

自然歩道ウォーカーの休日 くじゅう連山1泊2日ハイキング ミヤマキリシマは0.01分咲き

 とうとう東海自然歩道、中国自然歩道ともに、3連休以上ないと先に進めないステージに突入してしまった。飛行機も前もって予約しないといけないし。仕方がない。たまには福岡からの近場で、清く正しく美しい登山をしてみよう。

 ということで福岡の自宅で4:00に起床。シャワーを浴びて、荷物のチェック。テント泊1泊分の装備に水1000mlを加えて9.0kg。合格。

 4:30に自動車で自宅を出発。6:20に大分自動車道九重ICで高速道路を降りて、7:10にくじゅう連山の入口になる牧ノ戸峠に到着。駐車場はすでにほぼ満車状態で、なんとか隅の方に空きロットを見つけて駐車。今回はいつものローカットのトレッキングシューズではなく、山登りらしいビムラムソールのハイカットを履いて7:30に行動開始。

くじゅう連山の主要な登山口の牧ノ戸峠をスタート

 牧ノ戸峠からは登山道に進まず、県道11号線を北に2kmほど戻った大曲登山口から7:55に登り始める。これは同じ道を歩くのを極力回避したくなる習性のため。

県道11号線を2kmほど戻る

筋湯温泉八丁原地熱発電所あたりからは湯煙が上る

大曲登山口

 下草がササの登山道を上っていく。黒い火山土が滑りやすい。ときおり開花したミヤマキリシマが現れ、期待を抱かせてくれる。

火山灰が滞積した登山道は滑りやすい

ヤマキリシマがチラホラと

 この先で舗装路と合流。道路にはところどころに大きな石が転がっている。長者原への分岐点を経て、枯れた砂防ダムを越える。その先は急なガレ場の直登路。ガレ場は大きな石の急斜面で、ザレ場のほうが小石の方だったかなと考えながら上る。

大きな落石もあるよう

水の涸れた砂防ダムを渡る

ガレ場を上っていく

 斜面の真ん中に男性が立っていて、白い虹が出ていると教えてくれる。振り返るとたしかに白い虹。虹だけれどもレインボーカラーではないなと思いながら、8:50に諏蛾守(すがもり)越に到着した。

白い虹だ

諏蛾守越の休憩所

鐘を鳴らす

 休憩所で皆がするように備え付けの鐘を鳴らす。正しい登山をしている気分になる。しばし休憩の後、急斜面の道をぐんぐん登って9:23に三俣山西峰(1678m)に到着。次いで、9:49に三俣山本峰(1744m)へと順調に進む。

三俣山に登っていく

まずは正面の西峰に

その北には本峰が

 ところがここから三俣山北峰への取り付きが見つからない。宮崎からやってきたくじゅう17サミット制覇を目指すという若者といっしょに下降路を探すが、入口が分からないためやむなく北峰は諦めて、三俣山南峰(1743m)、三俣山Ⅳ峰(1734m)と若者と一緒に進む。

北峰が見えるものの登山道が見つからない

諦めて南峰に向かう

低木の間を縫って進む

本峰(中央)の左にⅣ峰。さっき寄り道しておけば良かったと思ったがあとの祭り。

 北千里ヶ浜に下るという若者と別れて、ふたたび南峰に戻り、真っ直ぐな下山路を進んで11:51に坊ガツルに降り立った。この道はかなり傾斜が厳しく、滑る。

もう一度南峰に登り返す

南峰から麓の坊ガツルに向かって急坂を下る

滑る

 坊ガツルキャンプ場に到着し、12:30にテント設営終了。カップヌードルとおにぎりの昼食を済ませてコーヒーを終えた後、必要なものだけをザブザックに詰め込んで13:20に行動再開。まずはミヤマキリシマの開花を期待して平治(ひいじ)岳に向かう。

振り返ると三俣山南峰の急な斜面

木道を歩いてキャンプ場に

さっそくテントを設営

 キャンプ場のすぐ裏手から登山道に入り、14:05に大戸越(うとごし)の分岐から直登路を登って14:34に平治岳(1643m)に到着、正面には三俣山。ミヤマキリシマは残念ながら0.01分咲き。ほとんど咲いていない。

大戸越

北に平治岳

平治岳山頂付近にミヤマキリシマがわずかに開花

山頂から西の正面には三俣山がまさに口を開ける

北には双耳峰の由布岳

 大戸越に引き返し、15:05から今度は大船山(たいせんざん)に向かう直登路に取り付く。15:49に北大船山(1706m)を経て、段原の分岐点を通過。左には米窪のひろいくぼみが見える。

大戸越から大船山を見上げる

ここも滑りやすい道

大船山は肩の部分

そこからさらにグイッと抜き出たのが大船山

立派な避難所がある

ヤマキリシマに代わってイワカガミが盛りを迎える

 ここからは最後の快適な登りを経て16:13に大船山(1786m)に到着。くじゅう連山を一望できる眺望が素晴らしい。さらに南に少し降って、御池を覗いてから16:38に段原に戻った。まだ下から登ってくる人が4、5人いる。皆さん青息吐息。

大船山頂上の先には小さな池

尾根を下って下山路に向かう

 ここからは長い下り。足元の湿った道をひたすら下って、17:32にようやく坊ガツルキャンプ場に到着。上りも下りも長かった。

大船山は距離が長くてこたえた

 先にテントを設営しておいて正解だった。テントのマットの上に横になって、一息ついたら法華院温泉に入りに行こうと思いながら、1日目の行動を終了した。

テントに荷物を投げ込んで一休み

一休みしてから温泉に向かう

この温泉は極楽

 2日目は坊ガツルキャンプ場で3:30に起床した。少し寒い。今回は軽量化のためにシュラフは携行せず、シュラフカバーのみで寝ていたため、寒さもあって目が覚めたようだ。

 まずはカフェオレとクラッカーの朝食。テントの外が少しずつ明るくなってきた。キャンプ場には50張ほどのテント。すでに撤収を始めているところもチラホラ。4:10ぐらいから撤収を開始して、5:08に行動を開始した。

 湿原の木道を渡って法華院山荘の前を通過。南に進路をとり、鉾立峠に5:50に到着した。

 一昨年、九州自然歩道トレッキングでここを通過した時には、白口岳への山道は崩落のため通行禁止だった。今回はこの険しいルートをぜひ通ってみたかった。

 崩落の傷痕がいまだに残る急坂を登り始めた。周囲に日が差し込んできた。崩落部を避けるように新しい道が付けられている。大変な作業だったろう。頭の下がる思い。

 汗をたっぷりとかきながら、7:01に白口岳(1720m)に到着。ここからは低木の中を進んで、7:29に稲星越を通過。

次の稲星山まで低木の中を進む

 グルッと南に迂回して、7:46に稲星山(1774m)に到着。南方向の阿蘇、祖母山の眺めが最高。

竹田市の向こう側には祖母・傾山

 稲星山からは一気に下り、再び20分ほどかけて上ると、最高峰の中岳(1791m)。今朝までテントを張っていた坊ガツルが小さく見える。

稲星山からグッと下った正面に中岳

足下まで来ると、これを登るのかとちょっとげんなり

意外とすぐに到着した九州本土の最高峰

中岳から御池を挟んで左に久住山、右に天狗ヶ城

 さらに、天狗ケ城(1780m)を経て、御池の澄んだ水面に触れてから、さらに上って9:24に山系の名前を冠した久住山(1786m)に到着した。山頂には登山客がたくさん集まっている。

天狗ケ城はまさに天狗が住みそう

君たちは何でここに集まる?

御池から久住山に向かう

南の裾野にはミヤマキリシマが(まだ開花せず)

 北に向かって下り、久住別れを通過して10:00に避難小屋に到着して小休止。

久住山から久住別れに下る

久住別れには立派な避難小屋とトイレ

 ここからは小屋の裏手の岩稜帯に取り付き、尾根伝いに10:45に星生山(1762m)に到着。さらに尾根を歩いて高度を下げていく。

避難小屋から岩稜の星生山尾根に取り付く

尾根の先に星生山

自然の造形の神秘

尾根を下る

 分岐点からは牧ノ戸峠に向かい、沓掛山(1503m)で小休止。阿蘇の山並みを眺めながらコーヒーを一服。さらに20分ほど下って12:40に牧ノ戸峠に到着して行動終了。

左に三俣山、右に星生山

舗装された山道を下り

牧ノ戸峠レストハウスに到着

 牧ノ戸峠レストハウスのブルーベリーソフトクリームを食べてから帰途につく。帰りすがら、筋湯温泉で汗を流して、九酔渓の鶏の炭火焼きの昼食。美味し。

筋湯温泉はおすすめ

やまなみハイウェイにうっとり

峠の茶屋で昼食

2023年5月20~21日 くじゅう連山ハイキング 

牧ノ戸峠~大曲登山口~諏蛾守越~三俣山西峰~三俣山本峰~三俣山南峰~三俣山Ⅳ峰~三俣山南峰~坊ガツル~平治岳~北大船山大船山~坊ガツル~鉾立峠~白口岳~稲星山〜中岳〜天狗ケ城〜久住山〜星生山〜沓掛山〜牧ノ戸峠 

晴れ 20/10℃ 行動距離14.5+10.4km 行動時間10:02+7:28 獲得高度1460+1061m 35877+24314歩 行動中飲水量2000+1000ml