本日は黒部五郎小舎の温かい布団の中で4:00に起床した。昨日は昼前から夜中まで断続的に雨が降り続いていた。気温は低く、宿泊客はみなストーブを囲んでいた。こんな日にテント泊をしていたら大変な目にあっていただろう。戦意は消失し、撤収も大変。低体温症を起こしていたかもしれない。空きがあってよかった。
カフェオレとクラッカーの朝食を終えて、5:30に行動中開始。スタッフとおやじに挨拶してから歩き始める。バンダナのおやじは声には出さないが、ニコッとだけ笑う。黒部五郎はいい小屋だった。
小屋の横からすぐに山道に取り付く。三俣蓮華に向かってまっすぐ標高差500mほどの上り。樹林が途切れて背の低いハイマツに変わったところで左を見ると、黒部五郎岳の雄大なカールが見えてくる。その奥には薬師岳のたおやかで優美な姿。後ろを振り返ると、まさに笠としかいいようのない笠ヶ岳。この光景だけでご飯3杯ぐらいいけそう。
緩やかな上りを楽しみながら進み、ハイマツとは異なるマツに変わったあたりで、6:51に三俣山荘との分岐を直進。
ここからは稜線の道となる。7:15に肩の部分を通過して、7:29に三俣蓮華岳(2841m)の山頂に到着した。なだらかな山頂で、ここが山頂だと特定できないようなピーク。ここには先客が3人。安曇野から来たという男性としばしお話。
三俣蓮華から先は稜線を歩く道と、ふもと近くを歩く巻道があるが、快晴の今日は稜線を選択。これが素晴らしい道。今日は風も弱いので楽しい稜線歩きだ。
7:54に丸山(2854m)のなだらかな山頂に到着。槍ヶ岳が正面に見えてきた。もうすぐそこだ。
さらに稜線の快適な道を進む。双六沢が右手に見える中道への分岐があったが、さらに稜線を進む。双六岳への上りに入るところでライチョウ。8:57に双六岳(2860m)に到着した。
ここからは双六小屋に向けての下り。1時間ほどで小屋に着いた。今日はヘリコプターによる資材搬送の日だったようで、15分間隔ぐらいで飛来してくるヘリコプターを眺めながら休憩とした。
9:50に双六小屋を出発。まっすぐに高度を上げて10:37に樅沢岳(2755m)。
ここからは痩せた尾根歩きとなるが、雪渓が残り、花も多い。傾斜はきついが、風のない今日は楽しい尾根歩き。
11:34には硫黄乗越。左の硫黄谷は樹木が枯れ、赤茶けた岩肌が露出している。
さらに尾根をひたすらに上る。左俣乗越でほんの少し道を間違えて、岩場を下る。
13:57に千丈沢乗越を過ぎたところから雲が切れはじめた。槍ヶ岳に向かう西鎌尾根の長い上りが目の前に広がった。
傾斜がきつく、酸素も薄いようだ。ここからは休み休み上り、15:30にようやく槍ヶ岳の肩に到着した。人気のキャンプ場で、予約が一杯かもと言われていたが、槍ヶ岳山荘をのぞいてみたらキャンプ場に空きがあるとのこと。ラッキーだ。
受付でGの番号札をもらい、ゴツゴツの岩に挟まれたような小さなスペースにテントを設営した。山頂近くで風が強いので、設営には注意がいる。ちょっとテントに傷を付けてしまった。
設営を終えたテントに機材をおいて、ヘルメットをかぶって槍ヶ岳登山開始。15分ぐらいであっけなく山頂に到着した。時間は17:00。天国が近い気がする。しばらく山頂からの眺望を楽しんでから、肩まで降りて行動終了。槍ヶ岳山荘でコーラを購入して、一人乾杯。
2023年7月20日 TJAR歩いてみた 8日目 富山県富山市有峰 黒部五郎小舎〜三俣蓮華〜双六岳〜岐阜県高山市奥飛騨温泉郷神坂 槍ヶ岳 晴れ 15/9℃ 行動距離13.6km 行動時間12:10 獲得高度2687m 28128歩 行動中飲水量1300ml