福岡市の中心、天神から地下鉄で10分足らずの西に位置する西新。西新地区には、旧唐津街道沿いに商店街が1km以上続くが、東からオレンジ通り商店街、西新中央商店街、中西商店街、高取商店街、藤崎通り商店街と名付けられている。
その中の、城南線と早良街道によって区分されたおよそ150mの部分が西新中央商店街である。この商店街は13時から19時の間は歩行者天国となるが、月曜から土曜の歩行者天国の時間帯には、商店街の中央に10台近くのリヤカーが並べられ、福岡近郊でとれた物産を販売している。これが西新名物のリヤカー部隊だ。
販売されているものは、野菜や果物、花、漬物、魚介類、味噌、餅などの産直もの。リヤカーの出店している通りはとても活気があって、シャッターを下ろした店舗は見当たらない。
現在管理しているのは西新行商組合。1950年頃からはじまり、最盛期は100台を超えるリヤカーが出店していたとのこと。この頃はさぞや盛況だったろうと思われる。
地方ではシャッターを下ろした店舗がずらりと並ぶ商店街が目立つが、ここ西新ではおもに高齢の方たちが運営するリヤカー部隊が、周辺の多くの高齢者を集客し、やりとりを楽しみながら物品販売をするという、見事な地域連携のビジネスモデルを成立させている。
