とりあえず、歩くか。晴れた日は星空の下で寝るのもいい。

週末の九州自然歩道のトレッキングや日常の雑感です。英語版のトレッキングログもこちら https://nayutakun.hatenadiary.com/  で公開しています。

1等星 星空を眺めるために

 たしか、小学校5年生か6年生の時だ。小学校の推薦図書の斡旋で、学研のポケット図鑑の「星」を買ってもらったのは。数日後には、それを見ながら、夜空の星座を探した。

 夏の夜空に現れるはくちょう座は分かりやすかった。確かに形が白鳥だから。さそり座も何となく分かった。アンタレスが邪悪な光を放ち、いかにも攻撃してきそうな尻尾が山の端に見え隠れしていたから。でも、いて座はなんだ?どこが射手だ?へびつかい座は、どこに蛇使いがいるんだ?と思ううちに、急速に興味を失ってしまい、それ以降、星空をじっくりと眺めることもなかった。

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 しかし、最近、九州自然歩道のトレッキングを始めて、近くに明かりのない、吸い込まれるような星空を眺める機会も増えてきた。星のことを知っていたら楽しいだろうなと思い始めていた時、友人らと会食する機会があり、彼らの多くが1等星の名称をスラスラと言うことができるのに驚くとともに、自分の不勉強を恥じた。

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 星の等級とは明るさの尺度である。古代ギリシアではすでに恒星を明るさで区分していた。当時は星の明るさを定量的に測定する手段はなかったため、最も明るい恒星を1等星とし、かろうじて肉眼で見える暗い星を6等星として、6段階に分けていた。

 全天では、1等星以上の明るい星は21。次いで、2等星:67、3等星:190、4等星:710、5等星:2000、6等星:5600となる(国立科学博物館https://www.kahaku.go.jp/)。しかし、空を眺めて見えるのは地平線の上になるため、季節や時間による変動はあるものの、肉眼で観察できるのは6等星以上の8600の半分の4300程度となる。

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 1等星とは、厳密には明るさの等級が0.5等星(を含み)から1.5等星(を含めない)の星。今回、1.5等星より明るい21個の恒星を憶えておこうと思う。

   このうちのいくつかは南天の星で、トレッキング中に観察できない星もある。これは南天と付記した。バイエル記号とは、星座名に等級順にα、β(例外あり)と付けた命名法。21の星が見分けられるようになれば、きっと星空を見るのが楽しくなるはずだ。

 

名前   バイエル記号  星座  概算距離(光年)  視等級

シリウス: α Canis Majoris  :おおいぬ :8.7 :-1.5
カノープス :α Carinae :りゅうこつ:200 :-0.7
リギル・ケンタウルス: α Centauri: ケンタウルス:  4.3: -0.1 南天
アークトゥルス: α Bootis:うしかい: 36: -0.0
ベガ: α Lyrae: こと: 26 : 0.0
カペラ: α Aurigae: ぎょしゃ: 50: 0.1
リゲル: β Orionis: オリオン: 600:  0.1
プロキオン: α Canis Minor: こいぬ: 11: 0.3
ベテルギウス: α Orionis: オリオン: 500: 0.4
アケルナル: α Eridani: エリダヌス: 100: 0.5 南天
ハダル: β Centauri: ケンタウルス: 400: 0.6 南天
アルタイル: α Aquilae: わし: 17: 0.8
アクルックス:  α Crucis: みなみじゅうじ   400:        0.8 南天
アルデバラン: α Tauri: おうし: 70: 1.0
スピカ: α Virginis: おとめ: 250: 1.0
アンタレス: α Scorpii: さそり: 600: 1.1
ポルックス: β Geminorum: ふたご: 35: 1.2
フォーマルハウト:  α Piscis Austrini: みなみのうお    22: 1.2
デネブ :  α Cygini: はくちょう: 1500: 1.3
ミモザ :  β Crucis: みなみじゅうじ: 500: 1.3 南天
レグルス: α Leonis: しし: 70 : 1.4