とりあえず、歩くか。晴れた日は星空の下で寝るのもいい。

週末の九州自然歩道のトレッキングや日常の雑感です。英語版のトレッキングログもこちら https://nayutakun.hatenadiary.com/  で公開しています。

2020年9月5日 九州自然歩道 46日目 熊本県菊池市菊池公園~菊池渓谷

 今回の九州自然歩道は、熊本県菊池市の菊池公園からのトレッキング再開。5:30に家を出てから、乗り換えを4回行い、9時過ぎに菊池に到着した。菊池公園には真ん中に菊池武光公の立派な像が設置されている。これについては少し調べてみた。

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菊池武光像 残念ながら逆光

 菊池武光(1319年ごろ~1373年)は、鎌倉時代末期から南北朝時代にかけての武将で、菊池氏第15代当主。九州における南朝勢力として武功に優れたことから、今なお菊池市民に親しまれているようだ。そもそも菊池氏は、諸説はあるが、平安時代藤原氏に源流を持つとされる名家のよう。西郷隆盛も菊池氏の出とされている。

 菊池氏は南朝を支えた武光の時代を頂点とし、その没後は次第に勢力を失った。17代菊池武朝北朝方に大敗し、19代のころから一族の間で家督をめぐる争いが持ち上がり、22代菊池能運の1504年の死を最後に菊池氏は滅亡。下克上の時代に入り、領地は菊池三家老と言われた赤星・城・隈部氏らに横取りされてしまった。しかし、落ち着いた菊池の街並みには、菊池氏の治世の名残を感じさせるような気がする。

 菊池公園の小高い丘の上に登ると、そこが菊池神社。今日はここにお参りしてから先に進む。

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菊池神社

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菊池市街も一望できる

 丘を下りて、菊池川に向かって進むと集落が現れた。集落には澄んだ水の流れる水路が通っていた。築地井手という水路で、加藤清正が作ったとのこと。現在も菊池の水田に水を供給している。築地井手の取水口辺りの菊池川の水はとてもきれい。地図のとおりに右手に菊池川を眺めながら進んでいたが、九州電力の立ち入り禁止のフェンスがあり、この先には進めない。残念ながら3kmほど戻ることになってしまった。

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築地井手

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取水口辺りの菊池川

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この先は行き止まり

 立派な県道に戻り、3kmほど進んでから右に折れて、大柿の集落を経て、菊池川に沿って進む九州自然歩道に復帰した。大柿の集落には柿はなく、栗畑が多い。そして棚田の緑が美しい。道路沿いに小さなラーメン屋があった。地図ではここが最後の補給地。ちょうど正午だったので、ここで昼食を済ませた。

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大柿の栗林

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大柿の棚田

 さらに進むと、集落のはずれには千畳敷という、広い河原のエリアがあり、ここでは子供たちが川で水遊びをしていた。今時珍しいが、とても気持ちよさそう。この先はまた、菊池川を中心に両岸に田んぼが広がる。

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菊池川の水遊びスポット 千畳敷

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菊池川の両岸には水田が広がる

 14:00に菊池川に沿った道が交通量の多い県道45線に合流した。ちょうどここで大粒の雨が降ってきたため、ガソリンスタンドで雨宿りさせてもらう。15分ほどで小雨になったため、雨具をつけて歩き始めた。九州自然歩道は、ここからは県道45号線を歩く。歩道はなく、交通量が多く、歩きにくい。車から水しぶきをかけられる。

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ガソリンスタンドで雨宿り

 だんだん谷が深くなるにつれて、菊池川の水の色が変わってきた。つり橋の下はエメラルドグリーン。開けたところになると水の色は透明に変わるが、川底の石まで見える。

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エメラルドグリーンの川の色

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 菊池市内を出てから20kmほど。16:00にようやく菊池渓谷に到着した。今日は台風前夜で人がいない。静かな菊池渓谷をひとり歩き始めた。

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 最初に見えたのが黎明の滝。それにしても川の水の色が違う。

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 次が天狗滝。ひんやりして気持ちがいい。今日は菊池に到着したときは33℃あったが、ここは別世界。

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 そして四十三万滝。ちょうど川霧が出て、幽玄な雰囲気だ。

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 菊池渓谷入り口から1kmほど進んだ広河原の橋で一般散策路はおしまい。九州自然歩道はここからさらに上流域に進む。

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 菊池渓谷の上流域も道はよく整備されている。ときどき倒木が道をふさいでいるが、何とか通過できる。菊池渓谷は涼しく、景色もよいが、メマトイや蚊、虻の攻撃がすさまじい。忌避剤をものともせずに果敢にアタックする個体までいる。

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 さらに上流に進み、高度750mほどまできたところで飛翔生物の数がだいぶ減った。17:25になったところで行動を止め、野営の準備を開始した。

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2020年9月5日 九州自然歩道 47日目 熊本県菊池市菊池温泉~菊池渓谷 晴れ後曇り 気温33/24 距離25.8km 行動時間8:01 平均速度3.3km/h 42101歩