とりあえず、歩くか。晴れた日は星空の下で寝るのもいい。

週末の九州自然歩道のトレッキングや日常の雑感です。英語版のトレッキングログもこちら https://nayutakun.hatenadiary.com/  で公開しています。

2022年10月10日 東海自然歩道13日目(通算214日) 三重県鈴鹿市椿大神社〜菰野市湯の山温泉 秋雨や越すに越されぬうつべ川

 本日の東海自然歩道トレッキングは三重県鈴鹿市椿大神社(つばきおおかみやしろ)からの再開。本殿でお参りを済ませて7:13に行動開始。

 雨の降る境内を東に進む。弓道場の柵を越え、苔むした道に入る。ここはまだ広い境内の中の一部のようで、かつて修行僧がこの辺りに居を構えたと書いてある。熊野古道のような厳粛な空気が流れる。とはいっても、熊野古道には行ったことはないが。

境内を東に進む

弓道場を過ぎる

シダの道を通過

 スギ林の終点には池。その先には茶畑。雨に煙る茶畑に設置されたワナに一頭のシカが捕えられていた。頭を激しく柵にぶつけて暴れるが、どうにもならない。姿が愛らしいだけ憐れさを誘う。

 8:20に内部川(うつべがわ)の右岸に到着。ここから東海自然歩道の道標は川辺の草地の中を下流に向かって誘導する。ぬかるみに足を取られ、靴の中が湿ってくる。500mほど進んだ砂防ダムの手前で、道標は不自然に川の方を指す。ここが渡渉地点のよう。対岸の砂地までは20mほど。しかし、昨日からの雨で膝上ぐらいまで増水している。雨も強くなってきた。靴だけでなく、ズボンも脱いで、ザックを頭の上に載せないと渡れそうにない。

内部川の右岸に出る

ぬかるんだ道を下流に進む

微妙な道標だがここが徒渉ポイントのよう

昨日からの雨で増水している

 ここは渡渉できないと判断し、さらに下流に進む。地図には川に何カ所も橋のような構造物が描かれているが、すべて破線。これは砂防ダムの記号か?いずれも徒渉できるような所ではない。その後も徒渉可能なところを探して下流に進むが、だんだん川幅が広くなってきた。

徒渉可能場所を探して下流に進む

 とうとう1kmほども進み、新名神高速道路の橋脚下まで来てしまった。雨の降らない橋脚の下で一句浮かんだ。「秋雨や越すに越されぬうつべ川」。

高速道路の橋脚下で雨宿り

 こんなことを言っている場合ではない。地図で確認してみると、さらに1kmほど下流に進まないと橋はない。進むか、あるいは戻ってズボンを脱いで徒渉するか。結局のところ、最初の徒渉ポイントから50分ほども歩いて、昭和橋を渡って左岸にたどり着いた。

さらに下流に進むさらに下流に進む

最初の徒渉ポイントから2kmほどの昭和橋で内部川をようやく越える

 少し遠かったが、晴れ間が見えてきて気分も明るくなってきた。左岸には桜の並木。春はきれいなことだろう。少し先の畑にはショウガが植えてある。ちょうどトラクターが土を掘り起こして、その後を追いながら作業者が収穫をしている。収穫の際に折れたりするのだろうか。ショウガの香りが漂ってきた。

左岸を歩き始めたら晴れ間が見えてきた

川沿いの畑からショウガの香り

 9:43に最初の徒渉地点の対岸にたどり着いた。往復4km以上の迂回だった。ところがここから北に進むはずの東海自然歩道も通行止めになっている。なんということかと思ったが、迂回路が丁寧に標されていた。案内に従って進む。

徒渉ポイントを対岸から見る

 ほどなく正規の東海自然歩道に復帰した。瀬戸用水という歴史的な遺構に沿ったルートのようだが、湿気が多く、ヒルの襲来が心配。遺構は気になるが、足を止めずに先に進む。

東海自然歩道に復帰

瀬戸用水の遺構があるか

これか?

 10:03にもみじ谷の入口に到着。文字どおり楓の植えられた谷を登っていく。着いた先が宮妻荘旅館。ここのベンチを借りて小休止。雨具を脱ぐと、Tシャツの上をヒルが這っている。慌てて撃退する。どこから入ってきたのだろうか。旅館の女将さんが出てきて世間話を交わす。自分も年に2、3回ヒルにやられるとこぼしていた。

もみじ谷

谷を登ると料理旅館

 10:29に行動を再開。舗装路を快適に進む。右手には一面の茶畑が市街地まで続く。晴れ間が出てきて心地よい。

その先の茶畑は見事

どこまでも続く

 舗装路のまま10:44に雲母岳登山口を通過する。雲母(きらら)橋を通過した先は、砂利道に変わる。幅4mほどの快適な林道が続く。標高は340mほどで、晴れ間が覗かせるが、暑くはなく、汗も出ない。

快適な林道を進む

雲母橋

ここからは砂利の林道となる

 道は再び舗装路に変わり、11:16に茶屋の上不動尊に到着。石段を登りお参り。冷たい山水が引いてあるが、飲用ではないと明記してある。手と顔を洗い、先に進む。

茶屋の上不動尊

 11:27に分岐に到着。左の林道湯森谷線に進む。幅4mほどの良好な舗装路。法面の補修をしているが、問題なく通過できる。

 工事現場の先の道路脇に2頭のカモシカが立っていた。すぐにカメラの用意をするが、間に合わない。グィッグィッと、シカとは異なる声を出して斜面を駆け下りていった。

法面工事の現場を通過

右の路肩にカモシカを見つけたが写真撮影は間に合わず

 舗装路を快調に進み、どんどん高度を上げていく。12:00に路傍休憩所に到着。ここまではほとんど眺望はなかったが、麓あたりまで見えてきた。ここで15分ほど小休止。

 行動再開後に林道雲母ケ峰線との分岐を通過。この先は路面に落石が増え、交通量が極端に少ないことがわかる。12:46に標高546mの峠を越えるが、この先も緩い上りが続く。

林道雲母ケ峰線との分岐を通過すると路面が荒れ始める

 13:05に林道の終点に到達。ここからは非舗装の山道に一変する。道標の数は少なくなり、コースは水流で深く抉れている。砂礫の道を気をつけながら下る。ときどき壊れた道標に手製風の道案内が出てくる。また、ときおり階段が現れるが、コースの行き先が不明なところがある。

林道はここで終点

正規の道標はここまで

抉れたような道になる

足下は崩れやすい

ときおりこのタイプの道標が現れる

 谷を下って川の音が聞こえてくるあたりで、コースが完全に崩落。その先に手すりが見えたのでそちらに進むと、木製の橋があった。地図と照らし合わせると東海自然歩道とは異なる巻き道のよう。

途中でコースは消失

その先に橋があったがぐるりと巻き道に進むよう

 少し戻ると、コースと思しきあたりにロープが設置してあり、谷底を歩くことができそう。靴を濡らしながら谷川の中を進み、13:35に大きな砂防ダムに到着。このコースがEADASのコースと一致している。

谷底に進むためのロープを見つけた

靴を濡らしながら先に進む

どっぷりとくるぶしまで水に浸かるしかない

砂防ダムに到着

 砂防ダムは落差が大きく、簡単に下ることはできそうもない。周囲を眺めると、ダムの右に道が見える。崖をよじ登り、道に出た。こちらはさきほどの巻き道とつながっているよう。

砂防ダムの右上に見えた道までよじ登る

 砂防ダムから先は踏み跡がかなりしっかりついている。道標も出てきた。13:50に潜戸の滝を通過して、14:02に湯の山温泉に到着した。

ようやく道標が現れる

潜戸の滝を通過

湯の山温泉が見えてきた

 三滝川に沿って温泉旅館が点在している。鄙びた温泉街を上流に向かって進み、14:24に赤い大石橋を渡って大石公園に到着。ここは忠臣蔵大石内蔵助に因んで名付けられたよう。

大石橋を渡ると大石公園

 大石公園からは山道に進み、青滝神社を経由して、100段ほどの石段を下って14:46に蒼滝に到着。岩を伝って水しぶきを浴びる心地のよい滝だった。

再び山道に

蒼滝

 蒼滝からはいま下ってきた石段を登り、青滝神社からロープウェイを見ながら山道を下って15:17に御在所岳ロープウェイ山麓駅に到着して本日の行動を終了した。

ロープウェイを見ながら下る

麓駅に到着

ここで行動終了

東海自然歩道13日目(通算214日) 三重県鈴鹿市椿大神社菰野湯の山温泉 雨のち曇り 24/13℃ 行動距離20.9km 行動時間8:03 獲得高度906m 38318歩 行動中飲水量600ml

復路交通: 御在所岳ロープウェイバス停16:00-湯の山温泉駅16:10/16:19近鉄湯の山線近鉄四日市16:46/16:47近鉄四日市アーバンライナー-17:18近鉄名古屋/17:31名鉄名古屋-18:03中部国際空港/ANA449便20:00-福岡空港21:45