とりあえず、歩くか。晴れた日は星空の下で寝るのもいい。

週末の九州自然歩道のトレッキングや日常の雑感です。英語版のトレッキングログもこちら https://nayutakun.hatenadiary.com/  で公開しています。

自然歩道ウォーカーの休日 千葉・鋸山

 今週末は千葉県内の娘の家に滞在。南房総の近藤牧場が経営するVENTOというイタリアンレストランでの日曜のランチの後で、腹ごなしも兼ねて千葉の鋸山に行ってみた。

南房総市の近藤牧場直営のイタリアン

生ハムベネディクトのピザ

濃厚なカルボナーラ

ドルチェもどっしりと

 金谷のロープウェイ麓駅に自動車を停めて、ロープウェイの列に並ぶ。インバウンドの訪問客がずいぶん回復してきた。山上までの搭乗時間は5分ほど。ガラス越しに浦賀水道が一望できる。海峡は思ったよりも狭い。頑張れば向こう側まで泳いで行けそうなぐらい。

 ロープウェイ山頂駅から1分で標高329mの山頂に到着。ここからの眺望は非常に良い。曇りなのが残念で、正面に見えるはずの富士山がまったく見えない。

 山頂からは東の稜線を伝って5分ほど進む。鋸山は山全体が乾坤山日本寺(けんこんざんにほんじ)という信仰の対象になっている。西口管理所で入山料を支払い、岩でできた緩やかなアップダウンの道を進む。

 最初に現れたのは百尺観音。両側が30mほど垂直に切り立った切り通しを進むと、右手に観音像が彫られている。大きい。まさに100尺(30m)ありそう。頭上から歓声が聞こえてくる。

 5分ほど東に進むと地獄のぞきと呼ばれるオーバーハングの岩。百尺観音の頭上に見えたところだ。ここには狭い通路しかなく、行列を作った観光客が、代わる代わる先端に進んで写真を撮っている。

 山頂の展望台から360°の展望を楽しんだ後、15分ほど階段を下ったところに日本一の大きさを誇る大仏の石像。高さが31mと巨大。大仏様に丁寧にお参りをして、ロープウェイの山頂駅に戻る。

 山頂駅に着くか着かないかの頃に、ちょうど雨が降ってきた。運良く、ほとんど濡れずに南房総の風景を楽しむことができた。

 ここから木更津まで戻り、東京湾アクアラインを経由して羽田空港に向かう高速バスに乗る。空港までの所要時間は30分ほどで、到着予定時刻は16:12。17:00発の飛行機には充分間に合う時間だ。リクライニングを倒して、安心して目を閉じる。

 そろそろ空港かと目を覚ましたら、まだ橋の上だった。東京湾アクアライン東京湾を横断して千葉県の木更津と神奈川県の川崎とを結ぶ15.1kmの自動車専用道路だが、木更津側の4.4 kmが東京湾アクアブリッジで、人工島の海ほたるパーキングエリアを経て、川崎側の9.5kmに東京湾アクアトンネルという海底トンネルとなる。すなわち、目を覚ましたのはまだ木更津に近い地点。時間はすでに16:10と空港への到着時刻に近づいている。高速バスの前後には自動車がつながる大渋滞。背中を冷や汗がタラリと落ちていく。

 すっかり目が覚めてしまった。トンネルには16:20にようやく進入し、自動車の流れもスムーズになってきた。トンネルを出て羽田空港第1ターミナルに到着したのが16:45。そして自分の便の出発する第2ターミナルに到着したのは16:49。バスを降りると、生涯最高速度12.8秒/100m(高校2年生のときに記録)の俊足を駆って(現在は25秒/100m程度と推測)保安検査場に進む。

 航空会社のカードを検査場のリーダーにタッチしたのが16:50。短い黄色い用紙が印刷された。「カウンターに行きなさい」という主旨のことが書いてある。膝から崩れ落ちそうになるがグッと耐えて、カバンから取り出したペットボトルとノートPCを持ってカウンターにダッシュした。

 航空会社のカウンターでは案の定、「保安検査通過時間を過ぎていますので、便の振替になります。」と冷酷に告げられた。しかしその後、カウンターの女性の顔が菩薩に変わった。「本来なら正規料金となりますが、今回に限り、無料で振り替えします。」大仏様に念入りにお参りしたのが奏功したのか、神対応。「今度は20分前までにはゲートにお越しくださいね。」と菩薩の女性は18:00発の振替便のチケットを印字して渡してくれた。

 ほっと安堵して、機内で食べる崎陽軒シウマイ弁当を探しに空港ロビーに出た。しかし、第2ターミナルの3階はどこも売り切れ。2階まで探索範囲を拡げ、ようやくシウマイ弁当を手に入れた。3階に戻って、余裕を持って17:30に保安検査場に到着。カバンからノートPCを取り出そうとしたが、ノートPCがない。ふたたび背中に冷や汗タラリ。

 ひょっとして、さっき保安検査場を通過しようとした時に、先に進んでしまったPCを回収し忘れたかと係の方に尋ねるが、忘れ物はないという。

 次に考えられるのは空港カウンター。再びカウンターに戻り、ノートPCの忘れ物がなかったか尋ねる。件の菩薩の女性が対応してくれ、それらしいものを見つけたという。すぐに電話で確認してくれた。PCはすでに搭乗口に届けてあった。

 ふたたび保安検査場に行き、係の方にPCが見つかった旨を伝えて通過。汗を拭いながら搭乗口に行って、搭乗券を提示すると、見慣れたPCケースを渡された。ほっと一安心。

 人間万事塞翁が午。

 

2022年11月20日 鋸山(千葉県安房鋸南町) 曇りのち雨 19/10℃ 行動距離1.6km 行動時間0:57 獲得高度257m 10297歩 行動中飲水量0ml