夜中に鹿の声で目が覚める。まだ1:30だ。1頭がテントの近くでしきりに啼いている。テントの中で懐中電灯を点けて揺さぶると、鹿の声はようやく止んだ。寒い。気温は12℃。シュラフに入っているのに足が寒い。半ズボンだからか、夏用シュラフだからか、それとも歳だからか。北風が少し弱くなっていたので、外に出て、テント設置時には風が強くて飛ばされそうだった尾根の平らな場所にテントを移動する。これでようやく足を突っ張らずに眠ることができる。
再び眠りについて、シュラフから出たのは6:30。テント内の温度は11℃。やっぱり寒い。夏用シュラフのみで乗り切ろうとするのは無謀なようだ。テントの外は明るいが、昨日同様、濃いガスに覆われている。テントにも、周囲の樹木にも水滴がびっしりついている。
テントを撤収し、7:03に行動開始。コースは広葉樹の中を通る道で、整備状況がよく、晴れていれば間違いなく気持ちよく歩くことができるコースだ。馬見岳から先のコースの各所には、嘉穂三山愛の会の道標が建てられており、整備状況はとても良い。
7:36に1km地点の江川岳頂上に到着。ここは山頂近くまで木に覆われており、眺望はない。ガスも出ている。
そのまま通過し、8:03に2km地点の屏山の927mの頂上に到着。ここは北面が開けており、ガスがなければ眺望は良さそう。
さらに尾根伝いの道を進む。両側に広葉樹の林のある気持ちの良いコースが続く。踏み跡がしっかりついており、ガスが出ていても迷うことはない。次第に石灰岩のゴツゴツの岩が増えてきて、背の低い柘植の木が石灰岩の間に生えている。柘植の木の小さな葉にびっしりついた水滴で体を湿らせながら、標高860mの古処山山頂に8:55に到着。
ここまで3.77km。尾根伝いの整備された気持ちの良い道だった。ガスが出ているのが残念。古処山の頂上は岩で、周囲は開けているので眺望は良いはず。ガスでまったく眺望が楽しめない。ここで、ミカンとクラッカーの朝食を済ませる。
秋月への下りルートに入るが、ここもよく整備されている。次第に上りの人とすれ違うようになる。ここは地元の方にも人気の山なのだろう。谷沿いのコースになると、一部、ルートが崩落している。一昨年の豪雨の影響だろう。大きな倒木がそのままになっているところもある。2kmほど下ったところで、自動車が10台程度停められる駐車場に到着。ここから舗装路に出たが、交通量はまばらで快適。古処林道と名付けられている。1kmほど進んだところで秋月市街が見渡せる駐車場があったので小休止。
ここで地図を確認すると、九州自然歩道は舗装路の下の川に沿っており、コースを外れてしまっていることが判明。駐車場から分かれていたようだ。ここから九州自然歩道への復帰ができないものかとあたりを見ると、かすかに川の方に降りていく入り口のような地形もある。倒木が散らばり、藪漕ぎもいりそう。地図では等高線は10本、100mの高低差。一か八かで川まで降りて、自然歩道への復帰を試みることとした。しばらく藪漕ぎをしながら下ると、遊歩道の看板がある。この道では遊びながら歩くことはできないなと思いながら、藪漕ぎをしながら倒木をまたいでさらに下る。川の音が聞こえ始め、川向うにトレイルが見えるが、かなり荒れ果てた状況。この川で顔を洗い、歯磨きをして、九州自然歩道に復帰。
1kmほど進むと古処山登山道入り口の看板の出た駐車場がある。20台ほど停められそうな駐車場が2か所ある。500mほど進んだところで、車の通行量の多い道路とぶつかる。まっすぐ川沿いの細い道を進み、昔ながらの風情の残る家々の並ぶ野鳥川沿いの道を進み、秋月博物館のバス停に到着。
ここから秋月の中心にある秋月城につながる桜並木を進み、手ごろな食堂があったので昼食とすることとした。ここで2日目のトレイルは終了。
九州自然歩道#4 2日目 2019年10月20日 曇りのち晴れ 気温22/11 宇土浦越7:03~秋月11:45 距離8.00 行動時間4:09 平均速度2.00km/h