とりあえず、歩くか。晴れた日は星空の下で寝るのもいい。

週末の九州自然歩道のトレッキングや日常の雑感です。英語版のトレッキングログもこちら https://nayutakun.hatenadiary.com/  で公開しています。

嘉穂アルプス縦走 1日目 彦山駅〜馬見山

 5月の連休には少し長い距離を歩く予定なので、身体が鈍らないように、また山中泊の機材の動作を確認する意味も込めて、今週末は嘉穂アルプスを1泊2日で歩くことにする。

 嘉穂アルプスとは福岡県中央部の嘉麻市と朝倉との境の山域。古処馬見山地ともよばれる。東から馬見山(最高峰977m)、江川岳、屏山、古処山となる標高800~900mほどの山々。ここは2019年10月19~20日にかけて九州自然歩道トレッキングで歩いたことがあり、けっこう土地勘がある。なかなかいいコースだったが、霧の中で眺望が楽しめなかった記憶も。今回はリベンジとなるか?

 

nayutakun.hatenablog.com

 

nayutakun.hatenablog.com

 博多駅を8:03に出発する6両編成の福北ゆたか線に乗車。前2両はBEC819系のいわゆるDENCHAという充電池でも駆動する列車で、後方4両は817系という編成。座席は通勤列車のロングシートで、隣の人を気にしながら新聞を読むだけで、のんびりできない。

博多駅から出発

前方2両はBEC819系DENCHA

後方4両は817系。非テツ系だがこういうイレギュラーが気になる。

 新飯塚後藤寺線に乗り換えて、さらに田川後藤寺からは日田彦山に乗り換えて、添田には9:35に到着。

キハ40系

 添田からは9:45発の日田彦山線BRTに乗って、10:01に彦山に到着して行動開始。

添田からはBRT。意外と人気で、日田彦山線には5人ぐらいしか乗客がいなかったのに、添田からのBRTには10人ほど乗っていた。

BRT彦山駅の駅舎は旧彦山駅の様式を踏襲している。

2019年10月19日撮影の旧彦山駅駅舎

 国道500号線を南に進み、まずは日田彦山線英彦山川橋梁を眺める。

日田彦山線の橋梁。BRTは彦山駅から先はこの橋梁を含めた専用線を走る。

 さらに1kmほど国道500号線を進んで、左の県道52号線に進む。こちらは深倉峡という深い谷。

国道500号線から左の県道に進む。交通量は格段に減少。

深倉峡に沿って進む。

 10:40に緑川集落に到着。ここで九州自然歩道に合流して右折する。ここは2019年の九州自然歩道トレッキングで通過したポイントだが、個人的には九州自然歩道の中で最も迷いやすい箇所。今回は正答を知っているため、あの時の男性の家の庭にズンズン進む。人気のない家に挨拶して納屋との間に張られた害獣防御ネットをすり抜けて山道に進む。

緑川集落が九州自然歩道の交差ポイント

ここは九州自然歩道随一の難所なので細かく解説。道路の左の法面から九州自然歩道が上ってくる。道路を渡って、この家の導入路を上がっていく。ここです。

個人の家を撮影して申し訳ないのだが、本当にこの庭のみが九州自然歩道で、他のコースはない。今回も探してみたが、どこからも先に進めない。

家の方に大きな声で挨拶して、母屋と納屋との間を通り抜ける。ここしかない。初見でこれができるか?

その先の斜面も荒れていて、本当にここで良かったのか自信が持てないかもしれない。

でも50mほど進むとこの標識が出て確信に変わる。この道標は2019年にもあった。

 6年前はこの裏山がひどい荒れっぷりだったが、今回は山道が整備され、壊れた標識も新しくなっていた。

今回はきれいに整備されていた。ありがとう!

2019年はこんな状況だった

 わずか10分ほどで標高差100m足らずの峠を越える。標高329mの峠の頂上には芭蕉翁の石碑。芭蕉の足跡が残るのだろう。残念ながらここで俳句は読まれなかったか。

峠に建つ芭蕉翁の石碑

峠を越えてほどなく舗装路に合流

 山越えをして国道500号線に戻る。戻ったところが英彦山食堂。

国道500号線との合流地点に英彦山食堂

国道500号線には歩道がない

 さらに5分ほど歩いて11:08に長谷の里に到着。ここは2019年に雨にずぶ濡れになりながら昼食をとった思い出のある場所。当時と同じ鶏もも焼、五目汁、おにぎりを注文。団子汁が五目汁に変わっていたが、味もほとんど変わっていなかった。

長谷の里。ながたに、と読ませる。

今回の鳥もも焼、五目汁、おにぎり

2019年の鳥もも焼、だんご汁、おにぎり。

 20分ほどで昼食を済ませ、再び国道500号線を歩き始める。

 添田町境を越え、落水橋を過ぎる。交通量はそこそこあり、どの車も猛スピード。歩道がないのが苦痛だ。

落水橋から

 12:05に九州自然歩道のコースに従って国道から左の山道に入ってホッとする。坂を登ると行者杉という大きな神木群が立ち並ぶ。

国道からエスケープできてホッとする

 鬼杉、大王杉、境目杉、霊験杉の4大杉。いずれも巨大。樹齢はどれぐらいだろうか?

行者杉は英彦山で修行を行う修験者が峰入り(山ごもりの修行)前に植えたとされるもの。

鬼杉(かいじゅうくん)

大王杉(行者の王)

境目杉(国見太郎)

霊験杉(行者の母)

役行者と書かれた社

豊前筑前の国境

 香水池を通り過ぎて、皿山地区に入る。ここから先は小石原焼の窯元が立ち並ぶエリア。

霊泉 香水池

この先は窯元が並ぶ皿山。割れた陶器が石畳に埋められている。

窯元が並ぶ

 筑後川源流の碑の先にある小石原焼伝統産業会館に12:34に到着。20分ほど展示を見学してまた歩き始める。

筑後川源流の碑

小石原焼伝統産業会館

登り窯

 15分ほど歩いた道の駅で小休止。ここで水を2リットル補給。これで今日と明日の水を賄うつもり。

 13:28から行動を再開し、小石原交差点から左折して国道211号線を嘉麻峠方面に進む。

国道211号線は大型トラックの交通が多い

 九州自然歩道はこのまま国道を嘉麻峠まで進んで嘉穂アルプスの稜線に進むのだが、国道の交通量が多く、しかも歩道がない。今回は嘉麻峠よりも手前で左折して山中に向かう内浦林道を歩くことにした。

内浦林道に進むことにした

暑い!

 簡易舗装の施された林道で高度を上げていく。振り返ると英彦山が見える。

奥には英彦山の南峰北峰

 さらに高度を上げていくとカーブの向こうに馬見山が見えてきた。

大きな山体の馬見山は標高977mで山系の最高峰

 林道を歩き始めて1時間弱で、稜線を通る九州自然歩道との交差部に着いた。

嘉麻峠から続く九州自然歩道との交差部。ここで登山者1名とすれ違う。

 前回と違った道を歩こうと、今回はそのまま林道を進んだ。前からスズキのJimmnyが6台ほど。林道を走りにきたのだろうか。

心地よい林道を進む

 15:18に九州自然歩道に復帰した。この先は山道歩き。広葉樹の中の道が心地よい。風がなく、木漏れ日がちょうど良い具合に差し込む。

次の交差部で九州自然歩道を歩き始める

この嘉穂アルプスの稜線の道は歩きやすい

 15:25に杉苔の丘を通過して、その先の展望岩で小休止。残念ながら霞がかかっているが、良い眺め。

杉苔の丘から

山道の両側にツバキが優勢になる

展望岩からの眺め

 この先もアップダウンの少ない快適な広葉樹に囲まれた山道を進む。

枯れ葉を踏みしめながら歩く良い道

 16:20に馬見山(978m)に到着。ここで行動終了として、きれいな避難小屋うまみで今晩は過ごすことにした。

馬見山(978m)に到着

霞がかかるが良い景色

素敵な避難小屋だ

 小屋の外の温度計は16℃を指す。快適だ。小屋の板の間にゴロリと横になって読みかけの文庫本を開く。西向きの窓からは残照が明かりをくれる。あー、極楽。

快適な山小屋。感謝!鳥の声を聞きながら本を読む至福の時間。

2025年4月19日 嘉穂アルプス縦走1日目 福岡県田川郡添田町落合 JR日田彦山線BRT彦山駅~福岡県嘉麻市馬見山 晴れ 28/15℃

行動距離18.0km 行動時間6:17 獲得高度1101m 27584歩 行動中飲水量500ml 

往路交通: 博多8:03JR福北ゆたか線-新飯塚8:49/8:53JR後藤寺線-田川後藤寺9:16/9:20JR日田彦山線-添田9:35/9:45JR日田彦山線BRT-彦山10:01