知る
はじめに 夏季の山中歩行時には、顔面に極めて近接して飛翔する小型の昆虫に悩まされることがある。この中にはハエ目カ科Culicidaeに属する昆虫もいるが、これは顔面前方を飛翔するだけでなく、上下肢等の露出皮膚面や、時には着衣の上からでもランディング…
梅雨明け直後の天草から宇土半島のトレッキングでは蚊の猛攻に遭い、現在も体中に十か所以上の瘢痕が残っている。この時の反省を生かし、先週の石打ダムから田原坂にかけてのトレッキングでは、皮膚に直接塗り延ばす虫除けスプレー(主成分:ディート、DEET…
先週、友人から茶豆を頂いた。わざわざ職場まで持ってきてくれ、保冷剤と一緒にしてあるところをみると、かなり新鮮な逸品かと思われる。袋の中を覗いて「枝豆ですか?」と聞いたら、即座に「茶豆です!」と直しが入った。しまった。彼は茶豆愛で有名な新潟…
毎朝フルーツを食べているが、正確に表現すると必ずしも毎朝、果物を食べているわけではない。たとえば、今日の朝食はメロンのヨーグルトかけであるが、メロンは果物に分類されていない。 うっかりすると、というか日常的にはメロンは果物と呼び、お見舞いの…
今朝食べたモモは頗る美味しかった。福岡県産のモモで、白鳳系だということまではどうにか分かる。おそらく日川白鳳あたりだと思うのだが、自信はない。そのぐらい、素人にはモモの鑑別は難しい。 どうかモモ農家の皆さん、販売の際には品種や産地が分かるよ…
モモは数あるフルーツの中でもとくに芸術的な農作物だといつも感じる。 芳醇な香りと、豊かな果汁が迸る果肉。そのままでも美味しく、ヨーグルトにもあう。生ハムやクリームチーズをのせても美味しい。まさにその味覚は芸術的。 それから、繊細な取り扱いを…
最近、キッチンにいる時間が長くなったせいか、水道の蛇口からポタリポタリと水滴が落ちるのが気になるようになってきた。レバーをグイッと下に降ろせばなんとか止まるのだが、気を抜いているとまた、ポタリポタリと雫が落下する。 キッチンの冷蔵庫には、と…
福岡の冬は意外と寒く、夏はわりあい暑い。暖房やエアコンを入れなくても過ごしやすく感じる時期はそれほど長くはないのだが、梅雨入り前のこの時期は比較的快適な時期で、夕方などは窓を開けると網戸から入ってくる風が心地よい。5月から7月にかけては網戸…
カラスは賢い。トレッキング中に昼食の食材をしてやられたことは、以前このブログにも書いているが、カラスは用心深く、思慮深く、執念深い(天山のカラス 油断大敵 2020年1月27日投稿、九州自然歩道#8 1日目 古湯温泉~ 厳木 2020年1月25日 2020年1月27日投…
以前、秋のお彼岸の頃に、収穫の時期を迎えた稲の実る田の畔(あぜ)に鮮やかな赤い花が映えるヒガンバナの話を書いた(曼珠沙華 突然現れて忽然と消える の巻参照)。独特な生活史を持ち、夏までは地表に姿を見せることはなく、夏の終わりに花茎が地上に突…
10数年前であるが、デコポンを初めて食べた時は衝撃的だった。果皮が厚く、頭の部分が膨らみ、なんとも格好の悪い柑橘であるが、意外なほどに果皮がむきやすく、果皮を剥いた際に立つ香りが素晴らしい。そして、瓤嚢膜(じょうのうまく、薄皮のこと)はあく…
たしか、小学校5年生か6年生の時だ。小学校の推薦図書の斡旋で、学研のポケット図鑑の「星」を買ってもらったのは。数日後には、それを見ながら、夜空の星座を探した。 夏の夜空に現れるはくちょう座は分かりやすかった。確かに形が白鳥だから。さそり座も何…
道端や畑の畦道などの身近なところに、春先になると多数の薄紫色のかわいらしい花を咲かせるこの植物は、オオバコ科クワガタソウ属の越年草であるオオイヌノフグリ(Veronica persica)。子供の頃からのお気に入りの花であるが、この花の名前を知ったのは高…
古湯温泉からの九州自然歩道トレッキングの際、八幡岳の山頂でマルタイ棒ラーメンの残りの1食分を食べようと思って食料パックを探したけれども見つからなかった件について。 八幡岳の山頂 トレッキングでは、パッキングはしっかり行う。持ち運ぶほとんどすべ…
南信州の山を歩いているとき、弟が木の枝の先にぶら下がった鳥の巣のような物を指さして、あれがヤドリギだよ、と教えてくれた。弟はアウトドアの達人である。 それから山を歩いているときに気を付けて見ていると、落葉した広葉樹の枝に繁殖したこの不思議な…
福岡の春の味はシロウオ。料理屋では漢字で白魚と書くことも多いが、シラウオとの混同を防ぐためにここはシロウオと正確に表記することとする。 2月上旬になると、福岡の西区と早良区を境する2級河川の室見川では、河口にほど近い筑肥新橋付近にシロウオ漁の…
退屈な会議の時は、寝落ちを防ぐために会議資料を仔細に読み込んで、意識の消失を防ぐのが効果的だ。このときもそうだった。端から端まで会議資料を読み終え、参考資料の、そのまた最後のページの参考文献リストを見た時に、ハッと目が覚めて、プッと吹き出…
福岡市の中心、天神から地下鉄で10分足らずの西に位置する西新。西新地区には、旧唐津街道沿いに商店街が1km以上続くが、東からオレンジ通り商店街、西新中央商店街、中西商店街、高取商店街、藤崎通り商店街と名付けられている。 その中の、城南線と早良街…
1月3日に太宰府天満宮に初詣に行った帰り、境内にある余香殿の横を通りかかった時に、かるた競技大会という立て看板に体が反応した。「ちはやふる」とかいうマンガの影響か、競技かるたが盛んになってきているらしいが、そのマンガを読んだことも、競技かる…
今年の初登山で登った糸島市の二丈岳の下山途中。道端から顔をのぞかせる草を見てドキッとした。ヘビだ、と。 マムシグサ 苞は黒く変色し果実は真っ赤に熟している この草はサトイモ科テンナンショウ属のマムシグサ(Arisaema serratum、蝮草)。北海道から…
ピクルス氏から再び問い合わせがあった。ピクルスの保存瓶に野菜を並べる際に、隣り合う野菜の色を異なるものを並べるというところで、4色問題という言葉が出てくるが、あれは何のことかというお尋ねである。 nayutakun.hatenablog.com 4色問題(4色定理)と…
日食とは、月が太陽の前を横切るために、月によって太陽が隠される現象。あ、そう、とか言われそうな気もするが、これは地球に住んでいるわれわれの特権。月が太陽を隠すのにちょうどよい大きさであることと、地球からの公転半径がほどよいことがまずはポイ…
北九州市の平尾台は日本でも有数のカルスト台地で、山口県の秋吉台、愛媛県と高知県にかかる四国カルストとともに、日本3大カルスト地形の一つとされている。カルスト台地とは石灰岩などの水に溶解しやすい岩石からなる地形である。 北九州市の平尾台 日本3…
福岡県とその南の佐賀県は、背振山地によってその一部が隔てられている。背振山地の東は基山(405m)からはじまり、背振山系の最高峰である標高1054mの背振山をへて、西は佐賀県の唐津市との間を境する十坊山(535m)から玄界灘まで走行している。 脊振山系…
月に1回、生け花のお稽古に行っている。お稽古の場所は、福岡市中央区にある松風園。かつて福岡にあった百貨店の福岡玉屋の創業者の田中丸善八氏の邸宅「松風荘」の跡地に作られた公園で、当時の日本庭園や茶室がそのまま活かされた贅沢な施設だ。花を活ける…
稲の収穫を迎える時期に、畦に群生して鮮やかな赤い花をつける彼岸花(ヒガンバナ)。葉のない花茎の先端に、直径は10cmに近く、大きく反り返った鮮やかな赤色の6枚の花弁からなる花をつけた独特な姿をしているので、ほとんどの方はご存じかと思う。ヒガンバ…
パッションフルーツという植物の名を初めて見たのは大学1年生の時に読んだ団伊玖磨のエッセイ集「パイプの煙」の中。団伊玖磨は著名な作曲家で、多くの交響曲や「ぞうさん、ぞうさん、おはながながいのね」の歌詞(作詞 まど・みちお)で知られる「ぞうさん…
福岡市の西、糸島市の雷山(標高954m)には何度か登山に行っているが、中腹にある雷山千如寺大悲王院(らいざんせんにょじだいひおういん)は紅葉の名所としても有名。たまには山登りだけではなく、季節の情緒も味わってみようかと、千如寺の樹齢400年を超え…
20年来の友人と神戸で待ち合わせをしてランチに行った。ランチとはいっても、二人ともアラ還のオヤジである。柔らかい秋の日差しがシマトネリコの影を透かした白いテーブルの置かれたテラスで、運ばれてきたキッシュにフォークで切れ目を入れると、焼きたて…
いまから40年前のはなしをもう一つ。九州の大学に入学したばかりで、まだ大学横のラーメン屋の前を通るときは、換気扇から放出される異臭に耐えられず、歩道の端まで避けて歩いていたころの思い出。 下宿が決まり、町の中心街のダイエーで14型の赤いテレビを…